旧短編 | ナノ


※現代パロディ



「aaaちゃん、クソかわいー」
無邪気な笑顔が堪らなく可愛いのはあなたじゃないの。


情いっぱいの


「ん、これでよし」
きゅ、と新妻に締められたネクタイの色は青。
薄いピンク色のシャツに映えるネクタイ。
「ありがと」
aaaの頭を撫でたサンジ。
「待ってるね、頑張って」
「うん。いってきます」
サンジに顎を掴まれ、固定され、そしてキスを交わす。
朝にも関わらず深い口付け。
「さ、サンジ…」
「はぁ……いきたくねぇな、やっぱ」
ぎゅう、と抱きしめられるaaa。
サンジは淋しげな顔を見せる。
「……待ってる、いってらっしゃい」
ちゅ、とサンジの頬にキスしてaaaは笑った。
「いってきます」
黒い鞄を持って、玄関を出た。

サンジは有名な料理店『バラティエ』のコック。
とてもおいしい食事を作り、容姿も良く、評判は良好。
一方のaaaは専業主婦。
サンジが家にいてくれと頼んだ結果からだが、何も役立っていないような気がして、aaaはもどかしい気持ちでいっぱいだった。

家事を終えた夕方。
(今日…何がいいかな、夕飯)
冷蔵庫の中を眺める。
(サンジ…)
サンジが作った方が百倍美味いだろうに。
適当に食材を取り、適当にご飯を作る。
出来上がり、暇になったaaaはソファでテレビを見ながらサンジを待った。

「ただいまー」
聞こえない返事。
靴が整えられた玄関を通りリビングに入るとソファに寝転がり寝ているaaa。
「aaaちゃん、aaaちゃん…」
aaaの頬を撫でるサンジ。
起きる気配もなく、サンジはaaaを横抱きにし、寝室のベッドに運んだ。
布団をめくり、横たわらせる。
布団を被せて寝室を去ろうとすると、何かに引っ張られた。
「サンジ…?」
「aaaちゃん」
サンジの袖をaaaが握っていた。
「おかえり…なさい」
何故か溢れた涙。
「あ、れ…?」
それを優しく何も言わず拭うサンジ。
ベッドに腰掛け、aaaを抱きしめた。
「サンジ…だいすき…」
サンジの優しい腕に包まれ、サンジの胸に頭を埋める。
「aaaちゃん、クソ可愛い」
aaaの赤く腫れた目を見て笑ったサンジに、aaaは頬を膨らませた。
「み、ないでよ…」
「悪ィ、つい」
目にキスをして、サンジはaaaの頬を撫でた。
「ご飯、食べようか」
aaaを姫抱きにして、リビングに入った。
「でも……サンジの方が…おいしい…よ」
ぽつりと呟いたaaa。
「aaaちゃんのはおいしいよ、おれのより……愛が入っているからかなー」
子供みたいな無邪気な笑いを見せるサンジにaaaは笑った。
「ん、いっぱい入ってるよ」
aaaを椅子に座らせ、サンジは向かいに座る。
「それじゃあ、いただきます」
ぱん、と合わせた両手。
「召し上がれ」
aaaは優しく笑った。




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