旧短編 | ナノ


* R-15
※学パロ(高校)
ヒロイン:年下の後輩



もし鎖があれば私はあなたに繋げてしまいたい。
そうして私だけのものに。
そう思うのは男だけじゃなくて、女の子もなの!





昼休み、弁当を持ってaaaは廊下を走る。
先輩で彼氏であるサンジの教室に行っている。
廊下を曲がって、サンジの教室に――。
向こうに目当ての人が。
(サンジ、先輩…?)
女の子が傍にいる。
俯き胸の前で手を握っている女子。
顔が赤い。
サンジは困った顔で苦笑いをしている。
(この状況はもしかして、告白……!?)
どくり、と心臓が鳴った。

aaaとサンジが付き合い始めたのは半年ほど前。
サッカー部という同じ部活で、aaaは次第にサンジに惹かれていった。
告白したのはaaa。
サンジは嬉しそうに笑って「おれも…」と言ってくれた。
しかしサンジは良くモテた。
その度に不安になり、その度にサンジは「大丈夫。おれはaaaちゃんが好きだから」なんて恥ずかしい台詞を吐く。
嬉しかった。
けれど、怖かった。
自分より可愛く美人であれば乗り換えてもおかしくはない現状。

(先輩…!!)
涙が出そうになり、aaaは走ってその場から逃げ出した。
自分の教室に戻り、一人で涙を堪えながら弁当をカラにした。
するとポケットでバイブレーション。
(だれ……)
携帯を開くと『サンジ』の文字。
また涙が出そうになりながら、メールを開くと『今日なんで来なかったの?屋上に来て』という気遣いナシの内容。
『行きたくない』と震える手で文字を打ってメールを送ると、すぐにきた返事。
『来て』とだけ書かれていた。
(授業…)
しかし授業に身が入るわけでもない。
仕方なく、教室を離れて屋上へ。
ぎい、と音を立てて開けた屋上への扉。
「せんぱい…」
屋上の柵に背を預け、タバコを吸うサンジ。
格好良くて、そのせいでまた涙が溢れそうになる。
「先輩…っ!!」
扉を閉めて、サンジの胸に飛び込んだ。
その反動で指からこぼれ落ちるタバコ。
「aaaちゃん…?」
背にそっと回されるサンジの腕。
「やだっ、やだ……サンジ先輩っ……離れたくない……離れたくないよう!」
サンジのシャツを握って、ただ叫ぶ。
涙が零れているのに、気づかなかった。
「aaaちゃん」
顎を掴まれ、キスをされる。
「いい?おれが好きなのはaaaちゃんだけ。いつも言ってるよね」
目尻を舐められ涙が止まる。
「知ってる……でも…っ。…先輩を…、鎖で繋げれたらいいのに……」
私だけのものにしたいよ、なんて馬鹿みたい。
「…!」
サンジは驚いた表情を見せ、それから強く抱きしめられた。
「サンジ先輩……したい……」
学校だなんて、関係ない。
aaaはサンジの頬を両手で包んでキスをした。

「あっ…あ…」
aaaは立って片足をサンジに持ち上げられ、柵に背をまかせ、サンジにしがみつく体勢にある。
変な声が止まらない。
「サンジ…せんぱ…っあ!」
律動の激しさに体は揺さ振られるだけ。
中が熱い。
「あっ……たすけて…っ」
不意に出た言葉。
「aaaちゃんっ……今、助けるから…!」
快楽の波が頭を真っ白にさせた。
「aaaちゃん……大好き…っ!」
よりいっそう、腰の動きを速めた。
「ひ…あぁ…っ!」
体に電撃が走るように、びりびりと痙攣する四肢。
胎内から抜き取られたサンジの熱いもの。

力の抜けた体をサンジに抱きしめられ、aaaは荒い息を繰り返す。
「aaaちゃん、大丈夫?」
不安げな声色。
「ん…、サンジせんぱ……ごめんなさ…い」
「ううん。不安にさせたのはおれだから。……なんで?aaaちゃんをこんなにさせたのは何?」
優しく笑って、抱きしめてくる。
「サンジ先輩、今日……告白されてた…」
俯き、サンジの胸に頭を埋める。
「ああ……でも、ちゃんと断ったよ」
髪を梳く手が優しい。
「ん……でも、いつか心変わりするかもしれないし」
自分より美人だったら尚更じゃない。
瞳を開け、サンジの胸板を見る。
真っ白で綺麗な肌。
その肌に這わせた指がつるつると滑る。
「ばかだな…aaaちゃん…。おれはもうaaaちゃん以外を好きになったりしねぇよ」
くすぐったい、とサンジの肌に這わせていた手を握られ、恋人繋ぎをする。
「こんなに女性を好きになったのは初めてなんだ…。不安で怖いのは……おれも一緒」
サンジはaaaの頬にキスをした。
「aaaちゃんは優しくて可愛くて…、誰にも渡したくない」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスをする。
その後は首、鎖骨、胸。
沢山の赤い痕を付けられる。
「サンジ先輩……見えちゃう…っ」
「見せ付けちゃって」
付けた痕を舐めるサンジ。
「もう…、…じゃあ先輩。私もしたい。イイ?」
「うん」
サンジのはだけたシャツから覗く鎖骨周辺にキスをし、そして胸元に吸い付いた。
くっきりと残った赤い痕。
「私だけ見てて……」
「aaaちゃんも、おれだけ、ね」
笑ったサンジに、どちらからともなくキスを交わした。




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