旧短編 | ナノ


※ギャグ風味



「まるこ、マルコ…!」
とんとん、と肩を叩く。
「よい?」
「あ・い・し・て・る!」
「ふーん」
「ひどーい!」


おれにみそ汁をってくれ!


部屋に響く、小さな喘ぎ声。
「あっ…あぁっ!」
「変な声を出すなよい」
「……その気になるかと思って」
ぷぅ、と頬を膨らませるaaa。
「溜まってんのかい?」
「ちがいますー」
そのままの表情で、aaaはマルコの曝け出した胸に飛び込んだ。
海賊のしるしが目に入った。
「愛って……なんだろ」
「20もないお前ェにゃわかんねぇかい……」
「全然……」
背中に回された大きな腕から伝わる温もり。
途端、眠くなった。
瞼が重くて虚ろになりかけているところに、マルコの手が頭に乗せられ限界が来た。
「……aaa」
「寝る……」
それだけ告げて、aaaはマルコの胸に頬ずりをして眠りについた。

『20もないお前ェにゃわかんねぇかい……』
(伝わってもこないよ……マルコ。私って愛されてる?)
もやもやした気持ち。
不安になる脳。
マルコから迫られたことなんて指折り数えても有り余るくらい。
わからない。
マルコの気持ちがわからない。

起きてみると目元が濡れていた。
ぐい、と涙を拭き取りながら周りを見渡す。
マルコのベッド。
しかし部屋の主はいない。
(ふつう……横で寝転がって私の寝顔見てたりするもんじゃないのかなぁ……)
恋人のはずなのに、そんな素振りを見せないマルコに戸惑いを隠せない。
(……だから泣いちゃうんだ。全部マルコのせい)
再び布団に潜り込むと、同時に扉が開いた。
「まだ寝てやがったのかよい」
aaaはたぬき寝入りを決めて、マルコは気づいているのかいないのか、aaaの寝ているベッドへ腰掛け、aaaの髪をさらりと梳いた。
「愛してるよい」
その言葉と共に、降ってきたキス。

「まっ、マルコ!?」

ご乱心デスカと勢いよく飛び起きると、マルコと頭をぶつけた。
「いっ!!」
「っ……てぇ」
漫画みたいにゴチンと音がした。
痛みで泣きそうになる。
「何なんだよい!」
「ごめんなさいっ!」
マルコは少し赤くなった額を撫でている。
aaaはそれに見入って、ただぼーっとしていた。
「マルコ…」
ふと出た甘い声に、マルコはすかさず唇を重ねた。
「ん、んっ」
舌を搦め捕られ、抵抗も出来ず口の端から唾液が流れた。
マルコが唇を離すと、その唾液を舐めとった。
「もっと欲しいかい」
「うん…」
ぼす、とベッドに押し倒され、服を取り払われた。
aaaもマルコの服を脱がしてやる。
「……あっ」
吸い付かれた首筋。
赤いしるし。
「……愛?」
「そうだよい。これもこれも、これも…全部aaaへの愛だよい、受け取れい」
ちゅっちゅっと頬や首、膨らんだ胸にくすぐったいキスをするマルコ。
「うん…!!」
aaaは満面の笑みを浮かべた。
(ちゃんと、愛されてた。良かった…)
「おれがaaaと一緒にいるのは愛してるからだよい」
「……嬉しい」
aaaはマルコの首に腕を回して、マルコの唇に軽くキスをした。
「でも言葉も欲しい、なぁー」
「aaaは欲張りだよい」
「知ってますー」

「愛してる」

「っきゃー!!」
赤くなった顔を隠すように、顔を手で覆った。
「aaa……」
「う?」
開いた指から瞳を覗かせる。
「aaaはどうなんだよい」
「愛してる!」
恥ずかしさ紛れにマルコに抱き着くと、マルコは優しく頭を撫でてくれた。




○おまけ
「プロポーズは"おれにみそ汁を作ってくれ"で……」
「みそ汁……?、あぁ……ワノ国の」
「それでお願い!」
「覚えてたらな」
「うんっ」



つまりタイトルは関係ない

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