旧短編 | ナノ


※サンジ寄り(というかサンジギャグ夢)



「青椒肉絲(チンジャオロース)を作ります」
眼鏡に白衣の金髪、私の好きな人がそう言った。


調理実習


「サンジくんに任せちゃえば?」
三角巾にエプロンを装着したナミが呆れ顔で言う。
「ちゃっかり三角巾とエプロンをして言われてもよー」
ウソップがハッ、と笑うと、ナミの正拳がウソップの長い鼻を直撃した。
「うぉお!折れたー!!」
「ウソップの鼻が曲がってる!!」
aaaはウソップを凝視しながら、エプロンをつけるのに手間取るチョッパーの肩を叩いた。
チョッパーはaaaの方を振り返った。
「どうしたんだ?、aaa――って、うおおぉ!?ウソップ!鼻が折れてるぞ!医者ぁあ!!」
「お前だ、チョッパー」
青色の似合わないエプロンを身につけたゾロが頭を掻きながらチョッパーに突っ込んだ。
「あ、あぁ……そうか」
チョッパーも落ち着き、ウソップの治療を始めた。
「サンジくんは……」
「おれは今日は先生役だよ」
aaaの手の甲にキスをしながら、サンジは言った。
白衣に黒眼鏡。
サンジの容姿を引き立たせる服装だ。
「あっ、サンジく…」
「何を作るんだー?肉がいいぞ!!肉肉肉!」
「うっせぇな!取り敢えず座れ!」
叫ぶルフィを一喝し、サンジはaaaの為に椅子を引いた。
「どうぞ、aaaちゃん」
「ありがとう、サンジくん」

「えーっと、今日は青椒肉絲(チンジャオロース)を作るから――って、聞いてないだろ!!」
駄弁るルフィとウソップとゾロ。
チョッパーはわくわくと胸を踊らせ、ロビンに青椒肉絲とは何かを聞いている。
「こいつらと一緒になんて……無理よ……」
半ば諦め気味のナミの肩をぽん、と叩いたフランキー。
「やれば出来る……アウッ!!」
変なポーズを決めたフランキーを無視しながらナミは溜息を吐いた。
「料理の仕方はしながら説明すっから、始めるぞ!!」
「イエー!」
「さ、サンジくん……私、役立たないかも」
サンジが纏った白衣を掴んで、くい、と引っ張った。
「いいよ、aaaちゃんは見てるだけで」
ぎゅーっとaaaを抱きしめたサンジ。
aaaは顔を真っ赤にさせた。
「そっ、それは駄目……。でもね、出来るだけ、頑張ってみるから」
「無理はしなくていいよ」
aaaの頭を撫でてサンジは調理実習に必要な道具を取りに行った。

「さて、取り敢えずはピーマンを切って。縦に細く」
「こうね」
沢山の手を生やしながら、ロビンは凄い勢いでピーマンを切っていく。
「すげぇえ!」
目を光らせるチョッパー。
「ほんと、さすがロビン!」
ナミは感心している。
「おいコック、ソースはこれでいいのか?」
サンジはフランキーが手にしたボールの中を見、見た目は何の問題もなかったので味見をしてみた。
「ッ!?何入れやがったこのバカ!」
醤油やソースの味と共に、しゅわしゅわーっと口の中で炭酸が。
もしかして。
「コーラ。うまそうだと思ったんでね」
色も似てるし、と笑うフランキー。
「アホか!こんにゃろー!!」
怒りながら、サンジはソースを作っていく。
さすがと言うべきか、手際が良い。
「おい……ぐる眉、まだか」
椅子に座ってダラけているゾロ。
「てめーも手伝え、マリモン!」
「あーっ!?」
「やっ、やめなよ二人とも…」
オロオロながらaaaはサンジの白衣を引っ張る。
「あぁっ、aaaちゃん…」
サンジはまたもaaaを抱きしめた。
サンジの背からはゾロの「TPOを弁えろ」との声が聞こえる。
「ど、どど、どうしたの、サンジくん」
吃りながらaaaはサンジを引きはがした。
「……後でね」
「?」

「おい、肉切ったぞ」
ゾロによって綺麗に切られた肉をaaaが受け取り、ソースの入ったボールにつけ、擦り込む様に肉を揉む。
「にゅあー…気持ち悪い感っ触!!」
「頑張ってー」
旗を振りながら、ナミは椅子に座っている。
「ナミ!てめぇも手伝いやがれ!!」
「ナミさんは別にいんだよ!マリモンは早く肉と野菜を炒めやがれ!」
ゾロは舌打ちをしてaaaが持っていたボールを取り上げ、野菜と一緒にフライパンに入れた。
「おーい!ソース!」
小さめのボールに入ったソースをフライパンに注ぐ。
ゾロとルフィは野菜と肉をソースに絡めるため掻き交ぜた。
「なぁ……片栗粉って入れねぇのかな」
「ん?」
ウソップの発言に疑問を抱きながら聞く。
「ほらよ、中華料理ってのはどれもみんなドロドロしてんだろ?」
「うん……でも、サンジくんはなんにも……」
「これは試練なんだ!何も言わなくてもするかどうか試してんだよ!」
片栗粉の入った袋をaaaの胸に突き出した。
「そっ…そうなのかな……」
「どうした、aaa」
肉とピーマンは危ないけれどルフィに任せて、ウソップとの会話に乱入するゾロ。
「片栗粉入れるのかなぁ?っていう…相談?」
「ほら、ゾロ。中華料理ってドロっとしてんだろ?片栗粉入れるだろ絶対!」
「入れるんじゃねぇか?」
ウソップの持った片栗粉を取り上げ、使って水につけていた計量スプーンを袋に突っ込んだ。
「ゾロ。それは、ちょっと……汚い…」
「あ?」
「いや、なんでも。……やっぱサンジくんに聞いてくる!」
とたとたとルフィの指導をするサンジの下に駆け寄り、サンジに聞いてみた。
「ん……片栗粉は入れなくてもいいけど……入れるんだったら計量スプーン一杯ね」
「そっか」
サンジはaaaの髪にキスをした。
少し頬を赤らめつつ、ゾロのところへと戻る。
「ゾロー、片栗粉は計量スプーン一杯だって」
「ふーん、これくらいか?」
計量スプーンに溢れんばかりに盛られた片栗粉。
「ばかっ!計量スプーンの意味ナシかっ!!」
こうっ!、と計量スプーンから盛り出た部分を擦り切り、カップに入れて水を注いだ。
「これを入れれば……」
フライパンに水とき片栗粉を入れる。
「うぉお!?なんか固まった!すんげぇー!!」
ルフィが目を輝かせた。
「片栗粉も知らねぇのかよ」
呆れるサンジ。
「あとは炒めるだけでいいんだよね」
「そうだよ」
サンジはaaaの頭を撫でた。

青椒肉絲を作り終わり、皆で食べた。
そしてaaaとサンジだけが片付をしていた。
他の皆は先に退散してしまった。
「サンジくん、今日なんか変」
「……aaaちゃん」
「ん?」
サンジの顔を窺うと、サンジはこちらを向いていた。
「エプロン姿、クソ可愛くって……ね。今にも襲っちまいそー」
「!!」
自分でも、頬が紅潮するのがわかった。
「ねぇaaaちゃん、服脱いで、裸エプロンして?」
「はっ!?し、しないよ!!」
首を横に振るaaa。
「……して?」
サンジの言葉に再度首を横に振る。
サンジはaaaの耳元に唇を寄せた。


「裸エプロンしてよ、aaa」


「……」
aaaは返事の代わりに、サンジの唇に軽くキスを施した。
「んっ」
「aaaちゃん…」
「こっ、今度っ!」
ほんとはしたくないけど、と呟きながらaaaは洗い物をする。
「ありがと……大好き。あ、でも誰にも見せないでね?俺だけに、見せて」
「……サンジにしか、見せないよ」

「はぁ……ほんと可愛い……押し倒してぇ」
「ばかっ」
二人仲良く洗い物をするのである。




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