旧短編 | ナノ


※ヒロイン:信教者
※ギャグ、下ネタ、会話文多し



子を孕むということは則ち命を授かることである。
故に、性行為とは神聖なものを意味す。


ックス


「したくないもんはしたくないの」
「お前がよ、信教者なのはおれも承知してっけどよー…」
おれは神を信じていないが、彼女は神を信じている。
それくらいの相違は、二人を分かつ条件になりはしなかった。
おれ達は引き合っている。
そして、愛しあっている、ハズ。
「ハッキリ言うけどね、セックスっていうのはそんなに簡単にするもんじゃないのよ。それに、そう易々と股を開いてビッチだと言われるのは虫酸が走るの」
「……女が言う台詞じゃねぇな」
ゾロが呟くと、aaaは溜息を吐いた。
「いいじゃない、別に」
「おれは別にaaaがビッチでも構わねぇぜ?」
「こっちがお断りなの」
腕を組んで仁王立ちをしてみせた。
「なんでだよ」
ゾロはベッドに腰を掛けながら話しかける。
「女はセックスする為の道具じゃない」
「愛がありゃいいだろ」
「その考え方自体、間違ってる。セックスは命を授かる行為なのよ?」
「そりゃあな」
ゾロは相槌を打った。
「妊娠して子供を育てる意志もないくせに何度もそんな行為をするなんて、馬鹿げてる」
「じゃあ結婚すっか」
「えっ?プロポーズ!?嬉しい!じゃなくって」
急な展開に驚きつつ、しかしaaaは我に返った。
「神への冒涜なのよ。快楽に溺れて我を忘れることは」
「……へぇ」
「処女は神聖なものだしね」
「あー、それはわかる」
「ゾロが思ってるのとは多分、意味違うと思う」
aaaは首を横に振った。
「ま、そういう言い訳や屁理屈はどうでもいいとして……おれとはしたくねぇのか?」
「……」
唇を噛むaaa。
持論が崩されてしまえば、抵抗する手段がなくなる。
aaaは困った揚句、本音を口にしてしまうハメになってしまった。
「セックスするの……怖いもん」
「優しくしてやっから」
「最初は痛いってナミがやたらと言うから」
「…………」
そのせいか、とゾロは頭を抱えた。
「aaa」
「…ん?」
少し困った顔をしながら、ゾロの顔を窺う。
「好きだ、愛してる」
ベッドから立ち上がり、ゾロはaaaを抱きしめた。
「子供を産みたいのなら産めばいいし、お前が嫌がるなら無理をさせたりはしねぇ」
「……ありがと」
「やっていいのか?」
「……また今度は?」
「仕方ねぇなー」
はぁ、と溜息を吐きながら、ゾロはaaaの耳元にキスをした。
「……したいだけなんじゃないの」
「違ぇって。愛を確かめ合いたいんだよ」
「うっわ、女々しー」
「るっせ」
首元に埋められたゾロの頭から顔を出した耳が少し赤くて、aaaは笑った。
「今度だかんな」
「ん。ちゃんと好き」
「わかってるっての」



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