旧短編 | ナノ


何週間ぶりの島。
二人はホテルに宿泊していた。
「aaaちゃん」
風呂上がりのaaaをサンジが呼んだ。


の降る街


「どうしたの?」
aaaは濡れた髪をタオルで拭く。
サンジはタオルをaaaから奪って、優しく髪を拭いていく。
「外、綺麗だよ」
水が落ちない程度に髪を乾かすと、サンジはaaaの手を引いてバルコニーに出た。
「わぁ…」
冬島のせいか、星がよく見える。
気温も低くはなく、星を見るのにちょうどいい。
「ナミさんが街の人から聞いたらしいんだけど、今日流星群が見えるんだって」
サンジは昼間に買い物をしているナミから聞いていた。
「ほんと?」
「一緒に見よ」
「うん」
aaaが頷くのを見て、サンジはaaaの頭を撫でて部屋に戻った。
「見ないの?」
「見るよ。だけどずっと立ってるの疲れるだろ?」
サンジは部屋にあったイスをバルコニーに出した。
そして、ベッドにあった布団を持って、サンジはイスに座った。
「aaaちゃん、おいで」
サンジが自分の膝にと合図をした。
aaaは少し戸惑って、しかしサンジの膝に座った。
サンジはaaaを覆うように肩にまで布団をかけると、布団の中でaaaを抱きしめた。
「サンジくん、寒くない?、背中とか特に…」
「全然。aaaちゃんのおかげで暖けぇ」
サンジはaaaの頭に頬を擦り寄せ、髪にキスをした。
「そっか。よかった」
aaaはサンジの手を撫でながら、空を見上げた。
星が満遍なく空を覆っている。
「綺麗だな」
「うん、綺麗」
サンジもaaaと同じく空を見上げる。
見上げるといっても、ホテルのバルコニーの先は平原が広がっていて、見上げなくとも空は容易に見えていて、少し上の方を見る、というような体勢だった。。
「あれって何かな」
「どれ?」
aaaがもぞもぞと布団から手を出すと、ある星を指差した。
「なんだろ…北斗七星?」
「それはあれじゃない?」
「あれ?」
そういった話をしていると、だんだんと眠気が訪れてきた。
「aaaちゃん、眠ぃ?寝る?」
「やだっ!流星群見たい!」
ぶんぶんと首を横に振るaaa。
「…そっか。寝たら起こすよ」
「うん…」
次第にうつらうつらしてきたaaaが膝から落ちないよう抱き抱え、サンジはずっと空を眺めていた。

「…aaaちゃん!」
「ん?」
「流星群だよ」
そう囁かれ空を見ると、流れ星が空を舞っていた。
いくつも落ちていく星に見惚れる。
「……!、ね、願い事だ!!」
「願い事あんの?」
「うん!」
ぱん、と手を合わせて、aaaは目を瞑った。
「どんなの?」
「……言ったら叶わないとか、ない?」
「…多分」
なに、と聞くサンジ。
「オールブルーが見つかりますように!かな」
aaaは空を見ながらこう答えた。
「…それはおれの願い事だろ?」
サンジが笑いながら言った。
「サンジの願い事は私の願い事だもん…」
「それってなんか損じゃねぇ?」
「えー…そうかなぁ」
aaaは唸りながら、ほかの願い事を考えた。
「…じゃあ!サンジくんとずっと一緒にいられますように!…とかは?」
aaaが振り向くと、そこには空の星に負けないくらい眩しい光を放った、サンジ。
「……それは願い事じゃねぇよ。おれとaaaちゃんが決めることだろ」
「…ずっと一緒にいたいな」
「…ったりめぇ」
サンジがaaaを抱きすくめ、aaaはサンジの肩を掴んで唇にキスをした。
星がきらりと光って消えた。



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