旧短編 | ナノ



最初は確かに賞金稼ぎとしてだったけど、一緒にいるうちに、私はいつの間にかサンジくん、あなたに惹かれてた。

あなたとわたしの手をねて、 05

気が落ち着くまで街をうろついた後、サンジはおとなしくサニー号に戻った。
「…それはねぇよ」
サンジはベッドでうずくまっている。
aaaの事実発覚から、一日が経っていた。
サンジ以外のクルーたちは、サンジに気を使って男部屋に近付かないようにしていた。
キッチンに集まっていたルフィたち。
「ちょっと、サンジくんどうしたのよ」
「知らねって」
ナミの問いにウソップが首を横に振った。
「ヨホホホホ!悲しいことでもあったんでしょうね!」
「それは見たらわかるッ!!」
ボコ、とナミに殴られたブルックは、床に倒れてなお笑っていた。
「…aaaちゃんって子と何かあったに違いないわね」
「それは大変だ!」
チョッパーが慌てる。
「そういえば、この街って賞金稼ぎが多いそうよ。そこらへんの海賊に聞いたんだけど…」
ナミが神妙な面持ちでクルーに言った。
「賞金稼ぎ…、海軍にも気をつけないとだな」
ゾロがずるずるとお茶を啜った。
ルフィは静かに立ち上がり、皆の注目を浴びた。
「よっしゃーメシ行ってくるぞー!!」
と言ってルフィが船を飛び出した。
「私の言ったこと聞いてなかったのー!?」
ナミが怒っているのを気にせず、ウソップとチョッパーがルフィの後を追った。
「…まったく」
「あいつらに何言っても聞かねぇだろ。おれたちが気をつけりゃいいんだ」
ゾロが三本の刀を掴んで、船を下りていった。
「私も行ってくるわ」
ロビンが微笑んで、キッチンを出て行った。

「…はぁ」
今日何回目かの溜息を吐いて、サンジは船を出て行った。
「サンジくん」
「うひゃあ!」
後ろからナミに声を掛けられた。
「ショッピングに付き合ってよ」
「え、と、…その…」
「ほら、早く!」
サンジの手を引いて、ナミは街へと歩き出した。
「aaaちゃんとなにかあったんでしょ?」
「…はい」
「野暮なことなんか言うつもりないけど…、ほんとに好きになったんなら、その愛を貫き通しなさいよ!!…って野暮ね、私」
はは、と笑いながらナミはショッピングモールに向かう。
「サンジくんはもういいから、一人で街ぶらぶらしてきなさいよ」
「え、いいんですか」
「…ほら!行ってくる!」
バシン、とナミに肩を叩かれ、サンジはナミを気にしながら街へと出向いた。

「……」
前に何度かaaaと重ねていた手が、じんと熱を持っている気がして、サンジはぎゅ、と強く手を握り締めた。
「おい、ありゃあ麦わらの一味のサンジじゃあねぇか!?」
「ああ!これにそっくりだ!」
後ろから大きい声がして、サンジはいらつきながら振り向くと、二人組の男がサンジの賞金首のリストを持っていた。
「なぁ、サンジさんよ?」
「ア?」
サンジは胸クソ悪いと思いながら賞金稼ぎを睨むと、賞金稼ぎは銃を突き付けてきた。
「覚悟しろよ!!」
ドン、と銃弾が放たれたと同時に、サンジの前に女が飛び出した。
「サンジくん…!」
ビシ、と銃弾は女の肩に当たり、血が吹き出た。
「aaaちゃん…!?」
サンジの代わりに撃たれたのはaaaだった。



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