旧短編 | ナノ



aaaちゃんが嘘を吐いている。
「おれは、いいよ」
それでも。
「…うん?」
「ううん。今日さ、夜、用事ある?」
「……ないよ」
aaaちゃんは笑った。

あなたとわたしの手をねて、 03

割とオシャレな料理店で二人は食事をした。
「おいしいね」
「うん」
手元にあったワインを飲むサンジ。
「サンジくんはどんなの作るの?」
ねぇ、コックさん、とaaaが尋ねる。
「うーん…、プリンセスが望むものならなんでも、かな」
「へぇ、すごいなぁ……、プリンセスかぁ」
ふふ、と笑ったaaaは、ナイフで優しく肉を切って口に運んだ。
「今度、作ってほしいな」
「…はい、喜んで」
ふわりと笑ったaaaに、サンジも自然と笑みが零れた。

そして二人は当たり前のようにホテルに向かった。

シャワーを済ませた二人は、服を脱ぎ捨てベッドに体を沈めた。
「私、久しぶりなの」
「…優しくするよ」
言葉通り、優しいキスから始まったサンジのセックス。
「…んっ!…あ、あ…っ」
「声、きれいだね」
胸を弄られ、甘い声を出すaaaに、サンジの理性が薄れていく。
「んぅっ、あ…!!」
重なり合う肌が、空気に熱を与える。
裸にも関わらず、二人は汗まみれだ。
「サンジくん…!」
「aaa、ちゃん…」
サンジとaaaの重なり合った手が愛を語っている。
行為中、荒い息遣いと、卑猥な音が部屋を支配していた。

「サンジくんって、格好良いよね」
「え、急に何?」
下着と黒のパンツを穿きシャツを羽織ったサンジがたばこをくわえながら言った。
「…なんで私なのかなって思って」
aaaはまだベッドで白い布団の中にいる。
「んー…、aaaちゃんと酒場で会う前に、この街で一回すれ違ったんだけど、なんか、aaaちゃんに一目惚れしちったみたいで…」
赤くなっていく顔を手で押さえながら、サンジが言った。
「…!」
aaaも、サンジの言葉に頬が紅潮していく。
「…わ、私もサンジくんのこと、結構好き…だよ」
「……やべぇ、クソ嬉しい」
サンジはしゃがみ込んで、はぁ、と溜息を吐いた。
「ね、サンジくん…」
「…ん?」
「もしこの島だけの恋人だって言うんなら、好きなんて言わないで。私、サンジくんのこと本気で好きになっちゃうから…」
いつの間にか下着と服を着たaaaが、サンジに向かって言った。
サンジはaaaを見つめ、それから立ち上がりaaaに歩み寄った。
「…おれは、そんな軽い関係で済ます気ねぇけど」
aaaを抱きしめたサンジの手は、細くしかし大きかった。

「…旅に連れていくことになりました」
朝帰りで、朝食の時間にルフィたちに告げた。
「いいんじゃねぇかー?」
ルフィは快い返事をした。
「まぁ、男ばっかりだし…」
ナミも頷いている。
「もう連れて来てんのか?」
ウソップの言葉に、ルフィが目を輝かせるが、サンジは慌てて首を横に振った。
「それがよ、まだ言ってねんだ…、海賊ってこと」
「……ハァっ?」
ナミが素っ頓狂な声を発した。
「そこ大事なとこじゃない!」
びし、とナミに指差されたサンジは「ごもっともです」とうなだれた。
「嫌われたくねぇんだ…」
いつもの元気はなくナーバスなサンジに、クルーたちは驚いていた。
「だっ、大丈夫だって!そのaaaって子もサンジのことが好きなんだろ?、だったらサンジが海賊でもなんでも、許してくれんだろ!!」
重い空気を切ったのはウソップだった。
それを聞いたサンジはみるみるうちに復活し、しまいには燃えていた。
「だよな!!よっしゃー!今日も行ってきまーす!」
サンジはキッチンを飛び出して行った。



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