旧短編 | ナノ


※マルコ:美術教師



「う…、うまいね…」
「そう?、aaaの方がうまいって」


オールヌードします


aaaは高校二年生の画家志望の女生徒だ。
一年生の時に美術を教えてもらったマルコという教師と付き合って一年と半年。
今はお互いの家を行き来するほどの仲。
美大に行くつもりのaaaは、マルコに絵のレッスンを受けていた。
そしていつも通り、aaaは放課後にマルコがいるであろう美術室に向かった。
「……」
気分は今日の美術の時間で沈んでいた。
本当は美術室に行きたくないのが本心だった。
静かに、物音を立てず、美術室の扉を開ける。
「遅かったじゃねぇかよい…、aaa」
音を立てていないはずなのに、マルコは背を向けたまま、そう言った。
「何してた?、言い訳くらいは聞いてやる」
マルコはしゃっしゃっと鉛筆を動かしている。
キャンパスには風景画が描かれていた。
「なんにも、ない」
教室の窓の外を見るaaa。
「……何かあったな。どうしたよい」
マルコは手を止めて、aaaに歩み寄った。
「悩みくらいは聞いてやる」
側にあったイスに座ったマルコは、aaaに座るよう促した。
「……なんにも」
「今日は、たしか美術があったな。……それと関係あるかい?」
マルコはaaaの時間割を把握している。
マルコの言葉に、aaaは動揺し、反射的に目を反らした。
「図星か…」
ふ、と笑うマルコに、少しだけ苛立ちを覚えながら、aaaはマルコの描いていた画を見た。
「…私、もう、絵描きたくない」
aaaが小さく呟いたのを、マルコは聞き逃さない。
「なんでだ」
「……私って、才能ないよ」
言っていて少し、惨めに思えた。
「……才能ねい」
「小さい時は上手いねって言われて育ってきたけど、そんなことなかった…。私の友達は私よりも何倍も上手くて、褒められて……」
aaaはイスから立ち上がり、頭だけの石膏像に近付いた。
「私だって褒められたい!!でも、私は上手くない…」
aaaの腕が震えていた。

美術の時間。
aaaの友人は生徒にきゃあきゃあと言われていた。
繊細な線と女性のふくよかな肢体のラインがマッチしている、確かに綺麗な画だった。
その画を見た時、aaaは急激なる劣等感に襲われた。
己の実力がどれほどか、知らされてしまった。

aaaは石膏像を見つめる。
「才能の無さに嫌気がさす…!」
小さな叫び。
aaaは目の前の石膏像と口づけを交わした。
ジュルジュルと音がする。
マルコは一つ溜息を吐いてaaaのもとへ行き、がし、とaaaの頭を鷲掴んだ。
「aaa」
無理矢理に首だけ向かせて、マルコはaaaとキスをした。
舌を絡めた、ディープキス。
「はぁ、はっ…」
「んなもんとキスしても舌絡めらんねぇだろうよい」
マルコはへら、と笑った。
「馬鹿じゃないの…」
「ふ、馬鹿なのはaaaだろい。…んなこと言ったってどうにもならんねい。上手くなりたけりゃ、描けい!!」
とマルコはaaaを見詰めながらそう叫んだ。
マルコの眼力は、とてつもなく強かった。
「…そう、だね」
aaaは少し吹っ切れ、頬を緩めた。
「まずはちゃんと見て描け。オールヌードしてやるよい」
マルコはシャツの第二ボタンを外した。
「へぇ…、私、細部まで描くからね。ちんこデカい?」
aaaがにやりと笑った。
完璧にふざけた質問だ。
「いつも見せてやってるだろい」
股を広げながらのマルコの発言に、aaaは若干引いた。

翌日、放課後。
aaaはいつものように美術室に向かうと、マルコに上半身裸姿で出迎えられた。
「なに?クールビズ?今日一日中それだったの?」
変態、と言いながらaaaはその辺にあったイスに座る。
「ちげぇよい」
マルコが少し低い声で言うということは、怒っているということだ。
「お前以外にこの姿を見せるつもりなんかねぇよい」
マルコはaaaにデコピンを食らわせた。
「あいって!……私以外にマルコの裸見たい、なんていうスキモノなんかいないもんね」
「aaa…、おれが結構モテること知らねぇだろい」
マルコはズボンを脱いで、そこら辺にあったイスに座ると、に、笑った。
がっつり下半身が見えるポーズをしている。
aaaがたまたま視界にマルコの下半身を捉えると、顔を赤くさせた後に青くさせた。
「あの…、ちょっと勃ってるように見えるのは見間違い、かな?見間違いだよねー」
あはは、と苦笑いをするaaaに、マルコは追い打ちをかけた。
「いや、勃起してるよい」
aaaの笑みは完璧に引き攣った。
「…モデルになる前に、してもいいかよい?」
答える間もなく、aaaはマルコに押し倒された。

「絶対、追いついてやる!追い越してやる!」
「その意気だよい」



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