旧短編 | ナノ


※サンジ寄り


願いが叶いますよーに!

wish

「おい、みんな。聞いてくれ。今日は俗に言う"七夕"なんだそうだ」
天気は晴天。
皆が甲板で騒ぐ中、aaaはこう切り出した。
「あー…、そういえば、ね」
ナミとロビン、サンジはぽん、と手を叩いた。
「七夕といえば笹なんだけど、笹がないからいいこと考えたよ」
aaaは昨日の夜作っておいた紙をルフィたちに配りながら、ナミのみかんの木を指差した。
「あれに吊す!!」
「許可なく決めるな!」
aaaが言った瞬間、ボコ、とナミに頭を叩かれた。
aaaは頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「あぁっ、aaaちゃん!!」
サンジがaaaに駆け寄る。
「うー…、暴力はんたーい…」
サンジの胸で嘆くaaaはナミに呟いた。
「ねぇ、駄目…?願い事って吊さなきゃ意味ないんだって……だからさぁ、お願い」
子犬や子猫のように、潤んだ瞳を罪悪感無しに向けるaaaに、ナミは「うっ」と言って押し黙ってしまった。
「し…、仕方ないわね」
はあぁ、と大きく溜息を吐いて、ナミはいいわよ、と承諾した。
「やたー」
わーいと手を挙げて喜んだaaaだが、その手は勢いよくサンジの顎に当たり、サンジはその辺で伸びてしまった。
「あっ…、ごめんね!」
aaaは悪気もなく謝り、それからサンジを放置してルフィたちと紙に願い事を書き始めた。

「ルフィはなんて書く?」
甲板の芝生に寝っ転がりながら、aaaはルフィに聞いた。
「そりゃあ、海賊王になれますように!、だろ!!」
同じく芝生に横たわるルフィは笑いながらそう言った。
「そういうのは自分で叶えるもんだろ」
ばふ、と頭を撫でられたaaaが振り向くと、ゾロが側で胡座をかいていた。
「じゃあゾロはなんて書くの」
「……」
ゾロは途端に静かになる。
「…大剣豪に、おれはなる!、でいんじゃない?」
「ルフィと同じじゃねぇか!!」
aaaの提案はあっさりと却下されたのであった。
「ね、ナミとロビンはなんて書く?」
aaaは、に、とナミは笑いかけた。
「ふふ、何を書こうかしら」
「私は、そうね………みかんを食べられませんように、かしら!」
伸ばした腕で気づかれないようにみかんを取ろうとしていたルフィにいち早く反応し、ボコ、とルフィは頭を殴られた。
「イッテー!!ナミ何すんだよー!」
「あんたが何してんのよ!!」
またボコ、と殴られてルフィは芝生に倒れ込んだ。
「aaaはなんて書くんだー?」
ぴょんぴょんと芝生を跳ねるチョッパー。
「ん!よくぞ聞いてくれたぞ、諸君!」
「一人しか言ってねぇぞ」
ウソップのツッコミを無視しつつ、aaaは既に書いていた短冊の願い事を皆に見せた。

「胸が大きくなりますように」

「……ナミやロビンよりはちっさいもんな!」
沈黙を破ったのはルフィだった。
「……そう、なのよ」
しょぼくれるaaaにルフィ、ウソップ、ゾロはaaaの胸を見た。
(切実だな…)
ウソップがD以下の胸を見つめて思った。
「ナミくらいじゃなくてもいいから、もう少しほしい………Cくらいは……」
aaaはナミのボインな胸を見ながら、ぶつぶつと呟く。
(それじゃ、ナミには到底敵わないだろうな)
ゾロはaaaから目を逸らした。
「ん!ゾロ、なんか言った!?」
「いーや!なにも!!」
ブンブンと頭を横に振って、ゾロは短冊と睨めっこを始めた。
「…なんで胸がおっきい方がいいんだ?」
チョッパーが純粋な質問を投げかける。
「えっ、そりゃあ……その、」
aaaは吃り、頬を紅潮させる。
「…?」
「男の人ってやっぱり胸大きい方が好きでしょ…、サンジくんもそうだろうし」
aaaは小さく、そう呟いた。
「フーン」
チョッパーは興味なさそうに、aaaから短冊に視線を移した。

「……胸ってのはァ、好きな人(おとこ)に揉まれると大きくなるらしいぜ?」

後ろから声がした。
「aaaちゃん、おれをのけ者にするなんてひどいぜ」
優しく笑いながら、サンジは座っていたaaaを抱き抱えた。
「うわぁっ、なに、サンジくん!」
「んー?、願いを叶えてやろうと思って。そういうのは短冊に書くことじゃねぇ」
サンジは鼻歌混じりに男部屋に向かった。
「うわぁあ!!助けてみんなー!」
「願いが叶うんだからいいじゃない」
ナミの無情な言葉に涙を流しながら、aaaはサンジに連れていかれた。

行為終了後、ベッドの上の二人の会話。
「サンジの願い事って何?」
「んー?、んー…、aaaちゃんと永遠に一緒にいられますように、かな」
「それこそ織姫彦星に願うことじゃないよ!!」
「…そうかな」
「うん!」


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