うつらうつら春の棲みかで
なげだした肢体が溶けかかったまま戻ってこない
わな
或いは

いびつなゆうれいをかじる
きずつけられたみどりのうみべが
あざやかなとんちをきかせた
わたしの穢れたつちいろだ
みてみぬふりの安寧のなかみだ
総崩れだ
余りにきれいで放っておかれた
かちのない肌膚のとんがりだ

あなたは夜るの棘とげに刺されてしんでしまった
わたしは遺体をあいのことばでぬりたくる術をわすれた

吐いた感かくでもう胃がざわめきそう
紺いろの蝶ちょが棲んでいるからね
あなたがわたしの浴槽に棲み憑いたみたいに
花ばなはすべてうそです
花ばなはすべて散りぢりです
ねえあなたの睫毛すごいね(悪魔の蛆虫みたいだね)

あなたの瞼ってなんだか
銀いろの刺青をいれているような厭な光沢があって
崩れたのどには恐ろしく色づいたことばを引っ掛けてる

そうしてきみってば焦げつきそうな甘ちゃんなんだから
あたしの歯を剥き出しにした恋いびとに名まえをつけて
あまい謎の終わりがあまいなんてしらない
その宇宙人がかっ攫っていってしまったのだ
あなたの脳髄のどこかきれいなところ
花ばたけの残骸じみたところで齧りついていたから

骸骨がうそいうの
焦がされたんだよ
ひれはなくしたのに
わたし
泥まみれでたべちゃったよ
つめたくていたいから
ないはずのねおんがきもちいいから
かみさまありきのあなたが
びすけっと齧るのみてたんだよ
かわいいおとなの骸骨たちが
臓器があったところをからにして
花々が抜かれて
かわいいよね

“あなたが亡霊をのぞんだからよ”
やわらかくてうつくしい犠牲

あなたの踊りをしらない








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