ぜんぶうごいてるみたい
ぜんぶ滲んでるみたい
総ての丁寧な異常が
おばけ莞爾
総てのやわらかい慟哭が
だから正体は あなたに似ている
喪いつつあるどろどろに似ている
ねえ わたしたちどこまでもうつくしくないのでしょ
うつくしくなければ意味なんてないのでしょ
わたしことばなんて 呪いなんて 呪いなんて
悪魔が
悪魔がいま
あたしの背後で血へどを吐き流しながら
しがみついてきそうでこわい
毒々のつて
うつくしいひとびとのみどりいろはたべられたよ
こんなもの総て削られたぎらぎらのあざやかなふちみたいに
咽喉がいたくなるような金属のつきやぶるてつのあじなんだよ
ぴりぴりとんがるよ
ねえ
ここがどこだかしってる?
ぴんくいろの うそつきの地獄だよ
あなたはかみさまを噛んだから
いじわるなままわたしをぐちゃぐちゃに裂いたでしょ
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あのひとが殺してくれない
ひとすじ 泥のような恐怖でころしてくれない