とろけたしろいふゆはかつて仄かに嘯いて
いずれ春をばら蒔く呪いになる
愛の暢気
薄に蜂蜜に蜀女の脊
黴の香い、花の匂い
花腐り春腐りひとりばら剪つ
あを丹よしまぼろしの奇なり
かたばみの色もなし崩し
秋春水に倦む淡い
あなたは いません
とり憑いてあげる
火鉢に生頸を植ゑて擡げる
そんな淡い戀のあと始末
すきのあぶく
視て晦め
つげれば好い、きっと浮ついて死んでしまう、
ふわふわと朧ろふわふわと、ろうろうと、ついえる
そうして
とうめいのぬかるみ
あなたは厭らしんで死ぬ
地獄は斯う膿んで泥泥らし
春は昏く、あなたの脊はまつかつか