あなたの
ねっとりと引っ掻くわるい癖がひどく好い
頬をひねるあなたが憎い
こぼれる砂を海から掬ってきたら
やさしくないひとたちが微笑んでくれる
橙が透けてやわらかい恋いびと
怪しいことばの齧りかけ
で
流れてゆくおぞましいものたちを
にどと生かしてはおかないで
星ぼしのぎらりが牡丹の匂い
わたしのすきなあなたの髪色をもうずうっと
ここから撒いてしまおうとしている
灯台に
つめたいす肌のばらばらは滑らかに
“灰ゐろの惨めな戀びとへ”
躾けをしらないよるがあざやかに褪める
柑橘のす
とうめいのまばたきは酸っぱい
盗まれたあまいをすこし
ね
そのまま死んでいたら好いわ
青にじらされた香ばしいめめしさ
ふみにじるよひのあてに