紫織さま
※高校一年生の設定です
2月28日
「ふーじー!」
昼休み、菊丸が不二の元へ訪れた。
「ん?どうしたんだい英二?」
「今日、不二の家に泊まりに行ってもい〜い?」
「別に良いけど…。」
どうしてだろう?
と不二は思った。
菊丸は不二の家に泊まりに来ることはよくあることだ。
もう高校だからとそれぞれの親達もとくに何もいわない。
だが、泊まるときは次の日にゆっくり過ごせるように次の日は学校が無い休日のときが多かった。
明日は平日で学校もある。
だから不二は不思議に思ったのだ。
「良かった!!
じゃあ、一旦家に帰って晩御飯食べてから不二の家に行くね〜!」
そう言って不二に疑問を残させたまま菊丸は教室に戻っていった。
夜
英二遅いな…。
不二は家で菊丸を待っていた。
時間はもう9時…だが菊丸がくる気配は一考になかった。
もしかして、事故にでも合ったんじゃ…!
そう思い心配になり、菊丸が来てないか近くを見に行こうとした時だった。
「お邪魔しま〜す!!
不二いる〜?」
菊丸の声が玄関から聞こえてきた。
「英二!!」
慌てて玄関に向かった不二。
「へへっ遅くなってごめんね?
途中で久しぶりに大石に会っちゃって…立ち話してたら遅くなっちゃったんだ!!」
テヘッという感じで舌を出す菊丸。
「もぅ…電話かメールぐらいしてよ…心配したんだから…」
そう言って頬を膨らませる不二…。
「にゃ…ごめん…。」
そう言ってしゅんと反省をした顔をした菊丸をみて、
少しきつく言い過ぎちゃったかな?
そう思って少し心配に思いながら、
「わかってくれればいいんだよ。
それより、今日はどうして泊まりにきたの?」
と聞いた。
すると自分の耳を疑うような返事が返ってきた。
「ん?ああ、学年末の勉強一緒にしようと思って!!」
学年末を勉強する!?
勉強嫌いの英二が??
どうしていきなり…。
不二は菊丸の発言にびっくりしながら、
まあ、やる気になったのは良いことか…。
と思った。
「いいよ…じゃあ部屋でしよっか?」
といい、不二と菊丸は不二の部屋へ向かった。
そして3時間たち、もう直ぐ日付が変わる頃。
「そろそろ寝よっか英二?」
「えっ…もうちょっと待って!!」
「いいけど…まだするの?」
さっきから不二がそろそろ寝ようと言っても菊丸がまだやるといい続けていた。
「うん、もうちょっと…。」
そう言ってチラッと時計を見た菊丸。
よし、あと5秒だにゃ!!
3・2・1
心の中で数え、丁度日付が替わった瞬間…、
「不二、お誕生日おめでとう!!」
「えっ!?」
驚いた顔をしてから、はっとしてカレンダーを見た。
2月29日…ボクの誕生日だ!
「にゃは!
忘れてたんでしょう!!」
「うん…すっかり。」
「どうしたら自分の四年に一度の誕生日を忘れるのさ〜!?」
と首を傾げる菊丸。
「さあ…?」
不二も不思議そうな顔をしている。
「ま、いっか!!
それよりも…はい!!
俺からのプレゼントだにゃ!!」
そう言って鞄からプレゼントを取り出して不二に渡した。
「ありがとう…あけてもいいかな?」
「もちろん!!」
カサカサ…
ラッピングの紙をあける音が聞こえる。
そして中からサボテンを持ったクマの人形が出てきた。
「あのね、不二はサボテン好きでしょ?
で、俺はクマの大五郎が大好きでしょ?
だから俺と不二が好きなものを合体させた人形を作ったんだ〜!
いつでも俺と不二が一緒にいられるように…って!!」
そう言ってへへっと笑う菊丸。
「もしかして英二の手作りなのかい?」
「うん!!
…っていっても姉ちゃん達に手伝って貰ったんだけどね!
…どう?気に入ったかにゃ〜?」
そう言って心配そうに顔を覗き込んだ。
「クスッ勿論だよ。
ありがとう英二、大切にするね。」
そう言ってニコッと笑う不二。
「良かった〜あ、あともう一つプレゼント!!」
もう一つ?なんだろう?
そう不二が思った瞬間
チュッ
菊丸の唇と不二の唇が重なった。
「生まれてきてくれてありがとう
一生愛してるからね」
「え、英二!!??」
驚きながら、顔を真っ赤にした不二。
「へへっ俺達がずっと一緒にいられるようにのおまじないみたいなもんだよ!
…ずっと一緒にいようね不二?」
途中までは笑っていながら最後は真剣な顔でそう言い、もう一度不二にキスをした。
END
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