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足元がお留守でした
『……アレ?ねぇ、椿姫、椿姫』
『何』
『アレ、兎だよね?あの中庭にいるの。』
那都の唐突な言葉に何事と、後ろを振り向くと、そこには確かに白兎がいた。
まるで、あたしたちが気づくのを待っていたみたいに、あたしたちが気づいた途端、そいつはぴょんぴょん跳ねて、中庭の奥へ消えていく。
ここは無駄に豪華な校舎で、中庭も外国かってくらい絢爛豪華……とにかく広い。
だから、あんなちっこい兎を見失うと探し出すのは困難になる。
『飼育小屋から、逃げ出しちゃったのかなー』
『だろうな。行くぞ。』
『え、ドコに!?つか、そこから!?』
窓の桟に足をかけて出ようとすれば、那都が大袈裟にリアクションする。
『見失ったら面倒だ』
『うへー…リョーカイ』
あたしがヒョイッと外へ出れば、那都も苦笑いしながら外へぴょんと出ry
バコンッッ!!……れなかったな。うん。
窓の桟に足をひっかけて、思いっきり頭から落ちた。
『いった!めっちゃいたっい!!』『下が花壇でよかったな』
『よくないけどね!!』
『んなことより、なっげーよ!お前らが終わらなきゃこっちの撮影も始まんねーんだよ!朝からずっと待ってんだぞ!?なめんな!』
『どうどう(苦笑)』
『ごめんなさい…(´・ω・`)』
『……ったく……ほら、顔の土払うからこっちこい』
『ありがとー!』
『花壇直すの時間かかりそうだな…』
『先にオレたちのやっちゃいましょうか。(嵐詩は、素直にこられると本当弱いですねぇ〜)』
140126
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