colorful. | ナノ

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黒白



明るい詩とか
前向きな言葉とか

なんとなく敬遠してる私たちには

きっと そんな詩と言葉みたいな未来なんて


近付いて来てくれや しないんだろう。



――――――…


居間にまで入れてもらい、その居間を見渡した。

使っていなそうな大きい暖炉。格子付きの窓にかかっているのは古ぼけた薔薇模様のカーテン。葉の意匠が美しくほどこされたボードの上には、十字架や燭台が置かれている。


テーブルにあたしも那都もついて、那都はルールがわからないから あたしがポーカーに混ざることになる。
……あたしは、冬夜たちとたまにしていたから、ルールを一応知ってる。



「ほら、さっさとカードを取りな!」


バーバさんもにこにこしながら席について、あたしはカードを取る。マザーさんに怒られるのは恐い…。

配られた五枚のカード……これって確か……ロイヤルなんとかじゃなかったか?



「そいで、そっちのアンタは本当に何も覚えてないのかい」

『あ、ハイ。すみません。』



…つい、謝ってしまった…。
マザーさんは、ポーカーフェイスってやつで、あたしもそれなりにそうだと言われるけど、自覚はない。



「友人を探して旅してるんだったね」

『はい。でも、ここに来る前に荷物も盗まれてしまって……なんとかここまで来たんですが…』

「フーン……で、あんたは、何しに来たんだよ」


マザーさんの視線はあたしから離れて、アレンのほうへ。



「実はですね…」


とアレンは、エクソシストとして認めてもらうために教団本部に行かなきゃ行けないという事、
師匠(クロス元帥だか)が場所も言わずに行方知れずになったことを話していた。


……本人から聞くと、なんとも重みが違うな。



暫く、アレンとマザーが2人で会話をしていて、アレンが手札を二枚捨てて山からカードを引いた。




その瞬間、マザーの杖が アレンの手の甲へと降り


「あいたっ!」


と悲鳴をあげ、アレンの引いたカードがバラバラとテーブルに落ちた。



『うわぁぁ…』


那都が痛そう、とアレンが叩かれたのと同じほうの自分の手の甲を押さえた。


マザーさんのあの恐ろしい形相…あたしも那都も無言でアレンとマザーさんを見ていた。


手をたたかれたのは、二枚のところを四枚チェンジしようとしたかららしい。

イカサマをクセと言っちゃう辺り、あたしらの世界じゃ考えられない。
ただ、こんな中でも笑っていられるバーバさんは凄いと思う。


あたしの出る幕でもない内輪の話だったから、黙って聞いている。
すると



「で、本部の場所なんですが……」

「あぁ、教えてやるよ」


アレンは訪ね、マザーさんがにたりと笑った。禍々しい笑みっていうのを、初めて間近に見た。



「ただし、タダとはいかんがね。――もちろん お前さんたちもだ。」





……あぁ、なんてとばっちり。


あたしとアレンは そっとため息をついた。

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