僕駆け | ナノ

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ハロー ハロー 聞こえてますか?

私たちの回線は、全て 正常に繋がっていますか?



―――――…


あたしたち8人は、同じ高校に通う……言うなら、友人だ。



『何でぇぇぇ!?』


この馬鹿丸出しなのが、那都


『うるっせぇ!!知るか!』


お前もうるせぇよってのが嵐詩



『…貴女も、声大きいですよ』

ため息をついた こいつが冬夜


『ため息をついてる冬夜もステキ!』


このド変態は 陸涅


『み、みなさん!?そんな事言ってる場合じゃ…』


この可愛い子は、深陽


『この人たちに 何を言ってもムダなのですよー』


このちっこいのは 砂世


『……あぶ、ない…ね』


で、この子が明兎。そして、あたしは椿姫。



『つか、危ないじゃなくて 死ぬよな…コレ。』


ハァとため息をあたしもつけば、冬夜が苦笑い。



『落ちてますからねー…ドコかもよくわかんない場所を、』


そう、あたしたちは堕ちている。
ドンドン
今も

周りは、何やらカラフルな色を黒いキャンパスに撒き散らしたみたいなとこで、体がドコにも当たらないってことは、近くには少なくとも物はない。
上も下も、視認出来るモノはない。

凄く気持ち悪い所にいる。…いや、落ちている。



『ダメ!!これヤバ!ちょっ…吐く』

『うわ!馬鹿!こっち見んな!』

『だからって、こっちを見るななのですよ!!』


那都が吐きそうだと自己申告すれば、冷たい周り。かく言うあたしも


『吐くな、バカ』


と一言。そして次の瞬間、




―――シュッ



『え。』

『那都ちゃん?』


各々(那都と冬夜以外)が驚きの声をあげる。冬夜は笑顔のまま、那都は静かに気絶した。



『な、なしたの?お前…』


嵐詩がそう恐る恐る聞けば、ふわりとまた笑みを浮かべた。


『見よう見真似で出来るもんですねー、手刀。』

『……めっ』


明兎が、無表情のまま言えば、冬夜はいつもと変わらない笑顔で



『すみません、すみません』


と悪びれもしない様子だ。



『手刀って見よう見真似で出来るものなのです?』

『できねーだろ』


『ま、那都は危なかったよな、下手したら…』



嵐詩の引きつった口元も、砂世の引きつった笑みも、そのままで



『冬夜ってば、おちゃめー』


なんていう陸涅のドアホな発言も


そのまま空中に置いてけぼりで、堕ちていく。



深いのか、なんなのか、もうよくわからなくなってきた。



グルグル回ってるような感覚になって
そして、あたしは 意識を手放してしまった。




―――――


ハロー ハロー 今から私たち

そちらへ向かっていますので、宜しくお願いします




ールリーン
(幸先、不安ですが)



20131201


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