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椿姫side
『……服?』
とりあえず、あの後4人同じ部屋に入れられて、その日まで待つことになったんだが…
菩薩が、いきなり
“旅する用の服はどうすんだ?”
と部屋に入ってきた。
『あー、まぁ確かに、こんな私服で旅は危険ですかね』
窓辺のテーブルの窓側の席に座り、本を読んでいた冬夜が眼鏡をくいっとあげながら菩薩のほうを見た。
『でも、なんか服くれるわけ?』
ベッドに腰掛けて、煙草を吸っていた嵐詩が 無愛想に言う。
「俺様の趣味でよければいいが?」
『『『『それはやだ!/却下/です』』』』
「なら、侑子にでも選んでもらえ。」
『……つまり、また対価か。』
あたしは冬夜の向かいに座り、珈琲を飲んでいたんだが…ため息をまたつく。
……何回ため息吐いたらいいんだろうな。
『今回はそんなに高くつかないと思いますよ?』
『なんでよ』
『……ん?オレの勘』
嵐詩の当然の問いに当たり前のように返した冬夜に脱帽。
まぁ、確かに冬夜の勘は当たるが
『可愛いのならいいなぁー』
那都はベッドの上で胡座をかいたまま身体を左右に揺らしつつどうゆうのがいいか、と想像し始めた。
『じゃ、モコナ。早速お願いしてもいいですか?』
「任せとけー!」
―――――――
―――――
――
「……さて、いいかしら?」
侑子が、その世界でも大丈夫なように と多少あたし達好みも反映して準備してくれた服を受け取る。
『ありがとうございます』
「いいえ、じゃあまたね」
和服のような、陰陽師が着てるみたいな、そんな服を試着し、冬夜は微笑み、侑子はそのまま手を振って消えた。モコナは仕事が終わったと座った。
あたしは、できるだけ地味な動きやすいやつにしてくれと言ったら、ラフなものを用意してくれた。悪くない。
『冬夜ちゃんのカッコいいね!』
と楽しそうな那都は、通常運転な服を着ている。あたしには縁遠い服が好きだな、こいつは本当に。
『そうですか?まぁ、こうゆう服は慣れているから楽ですが』
冬夜は 自分の格好を見てコテン、と首を傾ける。
そんな横でプルプルと震えているのが1人。
『なんで俺がこれなんだよ!』紫のチャイナ服を着て、ホットパンツに黒いロングブーツを履いてる嵐詩
まぁ、しいて言えば似合わなくはないが、らしくない。
『え、可愛いよ?嵐詩ちゃんもそうゆうの似合うんだね!』
那都がサラッと毒づいたな。いやぁ、お姉ちゃんお前の成長にびっくりだよ。もっと言ってやれ。
『お前、殺すぞ。』
かなりドスの効いてる声で嵐詩がもう不機嫌全開で、それを冬夜が抑える。
『落ち着きなさい、もう対価も払ったんですし……あなたのサイズがそれしかなかったんですから、しょうがないでしょう。ちゃんと形になったんだからよかったじゃないですか』
……ずばずば言うよな、冬夜。嵐詩も不服そうだけど、文句ももう言う気にならないみたいだ。
『旅に出るまで、服は片付けとけよ。』
旅に出る前に汚してもな
那都は『ハーイ!』と手を挙げて着替え始めた。
桜の花弁集めでこの服貰えるなら有り難い話だな。
新ユニフォーム
(なんでこんな足出るやつを…)
(似合ってますって)
(……ぐだぐだ言うな)
(コレ可愛いなぁー楽しみー(ノ∀`*)ノ)
End...?
20130921
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