孤独な華。 | ナノ

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『で、一体お前なんなの?』



嵐詩は、これから長い付き合いになるかもしれない桜色のモコナの背中をぷにっと持ち上げた。



「モコナはモコナなのー!」

『だぁから、そうじゃなくてだな!』


モコナは持ち上げられた状態で楽しげに両手をぱたぱたさせる。嵐詩は青筋を出しながら 頬をふにーっと引っ張る。



『こらこら、モコナを苛めない。』

『だって、コイツなんなのかわかんねぇし……なんなの?これ。饅頭?餅?』



そんな嵐詩から冬夜は、モコナを取り上げて膝に乗せて撫でてやる。



『那都みてぇなこと言うな…食べるなよ』

『食べねぇよ。』

『侑子さんと“陰険メガネの魔術師”さんが創ったらしいですよ。詳しくは知りませんけど…オレたちの旅にあわせてくれたんじゃないですかねぇ』



椿姫が新聞を読みながら念を押すように言うと嵐詩が食い気味に否定し、冬夜が


『あの人のことだから、オレたちが来ることわかってたでしょうしね』

と付け足して微笑する。



「冬夜って侑子とどんな関係ー?」

『え、昔からの知り合いですかね。オレの父親と知り合いで、その繋がりですよ』


モコナは膝の上で冬夜を見上げて、冬夜はモコナからのいきなりの言葉に驚きながら、ちゃんと答える。


『なぁ、モコナだとあの黒饅頭と被るから桜餅にしね?』

『貴女、モコナをなんだと思ってるんですか?』

「モコナはモコナなの!」

『別に、モコナで問題ないだろ。アッチを黒饅頭って呼べば』

『あ、なる程』

『いや、貴女たちね…そうゆう問題じゃなくてですね』




桜餅はモコナ=モドキと言います

(おい、桜餅)
(だからモコナなの!)
(定着してきたな)
(もうつっこみませんからね)



End...?



20130729

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