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※これは、眩暈の相良様から 私がリクエストして頂いたお話で、うちの孤華。の四人と相良様宅の水櫁さんと双蓮さんの二人が出てきます。
水櫁さんと双蓮さんは名前変換していませんので、ご了承下さい!
いつもみたいに三蔵の命と経典を奪いに来た妖怪を、いつもみたいにみんなでギッタンバッタン倒していた。ところが、周りに木がありすぎて戦うのも避けるのも、思うように動きづらく全員一度は味方から殺されそうになった。
ふいに椿姫が那都と背中を合わせたとき、「一旦散るぞ」と耳打ち。那都が気がついたときにはすでに冬夜も嵐詩も悟空たちもいなくなった。椿姫もうまく敵を誘い出しながらその場を離れていくのをみると、那都もまた違う方向へ散った。
ところが彼女の言うとおり、動きやすい広い場所に出て片付けたのはよかったのだが――
「ここどこ?」
【交点(8,1)】
「冬夜ちゃーん、嵐詩ちゃーん、椿姫ちゃーん」
大声で叫べばどこからか「黙れバカ猫」ピコハンが飛んでくるんじゃないかと思った那都だったが、帰ってくるのは森からの沈黙だけ。
「全くもう! みんなして迷子になって!!」
ぶーぶーと頬を膨らましても「おーおーでっけえ林檎だなァ」と突っ込んでくるツッコミもない。
「……もういいや。さっさと迷子のみんな探そ。世話が焼けるね!!」
なんとなく胸がひんやりしたのを感じて、それを振り払うように歩き出した。もちろん目印となるようなものもないので適当に散策。だから「まあそのうち誰かに会うでしょ!」と軽い気持ちで椿姫たちを探しはじめた。
そんなこんなで歩き続けることしばらく。
「もーほんとみんなどこいっちゃったのさ!!」
妖怪が襲ってきたときはまだまだ太陽は高いところにいたのに、生い茂る木々のせいでものすごく暗く感じる。人影どころか野生動物の影も見当たらない。ただ風が不気味に木々を揺らすだけ。
「うう〜なんか胸がざわざわする……」
不気味な雰囲気に飲み込まれそうになるも懸命に足を動かす那都。
すると、彼女の第六感というアンテナに何かがひっかかった。
「……なんだろう。なんかすっごい嫌なものを感じる」
頭の中ではそっちに行っちゃダメって言ってるのに足は自然とそっちへ向かう。何か恐ろしいものを感じるってわかっててもこのまま無意味に椿姫たちをキリがない。
故にイチかバチかで那都はその方向へ走った。
次第に何かのリズムに乗った何かが聞こえてくる。
「とぉりゃあっ!! ――って、うえっ?」
バッと勢いよく茂みから飛び出した那都の目の前にはありえない光景が広がっていた。
あろうことか祭りが行われていたのだ。聞こえてきていたのは笛と太鼓による似たようなメロディーの繰り返しと人々の陽気な掛け声や歌声で、赤い提灯が放つぼんやりとした橙色の光はその下で溢れかえる華やかに着飾った人々を照らす。
そして何より目を引いたのが――
「うわあ!! 屋台だー!!」
目の前にはカラフルな暖簾や鼻腔をくすぐる香ばしい匂いを放つ屋台の数々。先程まで感じていた違和感など忘れ、人混みの中へ入っていく。焼きそばやたこ焼きの濃いソースの匂い、提灯に照らされ一層赤く輝く林檎飴やかき氷の氷が削られる音。
その全てが那都の興味――もとい、空腹を促す。
あれもこれもと目移りしていると、
「おう嬢ちゃん! わたあめなんてどうだい? 甘くてふわふわしてて美味しいぜ!!」
「欲しい!! あ、でもうちお金持ってない……」
財布の紐は基本冬夜が握っており、今の那都は一文無しだ。食べたいがお金がないと何とも形容しがたい表情を浮かべる那都。そんな彼女に見かねた屋台の人は、「しゃあねえなあ。ほかのやつには内緒だぞ?」と一つ差し出した。
「え、いいの!?」
「特別サービスだ」
と、彼は人差し指を口に当てた。
目を輝かせながらそれを受け取ろうとしたとき、ふいに那都の体が後ろへ傾いた。
「全くもう探しましたよ」
後ろを見れば、知らない女が那都の肩を掴んでいた。若緑色の髪を束ねた女はニコニコと笑っていたが、その笑顔はどうにも作り物のような違和感を覚えた。もともと整った顔がさらにそれを助長させる。
「え、だ――」
誰、という前に彼女は付け入る隙を与えず、屋台の人の好意をやんわり断ると、そのまま那都の手を引き、屋台を離れた。
「ちょ、ちょっと!!」
とっさのことで反応できなかったが、ずんずんと人ごみを掻き分けていく女の手を払った。
「おっと、これは失礼しました」
そういうと彼女は眉を寄せて困ったように笑った。今度は違和感を感じなかった。
「突然すみませんね。でも知らない人からものをもらってはいけないと教わりませんでしたか?」
「あ、うん。椿姫ちゃんとか冬夜ちゃんに言われたかも……。あ、でも知らない人についていくのもダメって言われた!!」
思い出したように那都はさらに女から距離を取った。那都としては彼女から一切悪いものは感じなかったが、用心に越したことはないという椿姫の言葉に従った。
「っと、それは失礼しました。自分は水櫁、と申します。あなたは?」
「あ、えっと、藤原那都です!!」
丁寧に頭を下げる水櫁と名乗る女性につられ、那都も名乗った。
「那都ちゃんというのですか。いい名前ですね」
先程の作り物のような笑顔とは違い、ふわりと柔らかく笑う水櫁。
「えへへ、いい名前でしょ!!」
混じりけのないそれに那都もまたつられて笑った。
「先程は邪魔をしてすみませんでした。ですが、ここで売られてるものには手を出さない方がいいですよ」
「え、なんで!? あんなに美味しそうなのに!?」
「それはちょっと説明しにくいのですが……。なんと言えばいいんでしょうねえ……」
うーんうーんと腕を組んで悩む水櫁に、
「わかったよ!! 水櫁ちゃんの言う通りにする!!」
一瞬虚を突かれたように、ぽかんとする水櫁だったが、「那都ちゃんは偉いですね」と頭を撫でる。那都もされるがまま、えへへとくすぐったそうに笑う。たったいま知り合ったばかりの二人はどこか親子のように打ち解けていた。
それから二人はふらふらと屋台を見るだけだが、手を繋いで歩く。
その光景こそまさに親子のようだ。
「ところで水櫁ちゃんはどうしてこんなところにいるの?」
「それはですね、ちょっと悪い人たちに襲われて逃げてたらいつの間にかここにたどり着いたんです」
「へー。でも水櫁ちゃんみたいないい人を襲うなんて酷い!! もしそいつらがまた水櫁ちゃんたちを襲ってきたらうちがギッタンギッタンのバッタンバッタンにやっつけてあげる!!」
「それは頼もしいですね。ありがとうございます。那都ちゃんはどうしてここに?」
「うちもだいたい一緒かな! んとね、最初は椿姫ちゃんたち――えっと、うちの大切な人だよ、と一緒だったんだけど、途中ではぐれちゃって。で、みんなを探してたらここに着いたの」
「全くみんなってば方向音痴なんだから!」と頬を膨らませれば、水櫁が「林檎飴みたいですね」と優しく突っついた。
今度は那都が水櫁に問うた。
「水櫁ちゃんは一人なの?」
「いえ、もうひとり手のかかる子がいるのですが……。全くあの子もどこへ行ってしまったのやら」
と、水櫁は仰々しくため息と愚痴をこぼした。でもそのため息はとても優しさで満ちていて、那都にとっての椿姫たちのように水櫁の大切な人なんだろうなと那都は思った。
しばらく歩き続けると、ある屋台に人だかりが出来ていた。
「あれなんだろ?」
「『射的』とありますね」
背の低い那都はその様子を見ることは叶わなかったが、水櫁は少し背伸びをすれば、いま射的に打ち込んでいる人の茶色の頭にぴょんと伸びる髪が少し見えた。「おや、」という掛け声と共に那都を連れたまま人ごみをかき分け、その人物のもとへ。
「探しましたよ双蓮。こんなところで遊んでるなんて意外とたのし――」
へらへらした顔でその人物にかけた声は物々しい音によって遮られた。
「誰アンタ」
水櫁に向けられた銃口は寸分違うことなく眉間を捕らえていた。
「あ、あれ?」
水櫁の言葉と「あ、椿姫ちゃんだ!」という那都の言葉がきれいに重なった。
○
一方では水櫁が探していた双蓮も同じくこの祭りへ迷い込んでいた。
「一体どうなってんの……」
賑わう人々を訝しみながら歩き続ける。
あからさまに嫌悪感を発するが、すれ違う人々たちは双蓮など眼中にないと一人も彼女を見ることはなかった。加えて露店の人はそれを恐れるどころか「お姉さん一個どう?」と林檎飴やらたこ焼きを勧めてくる始末。
じわじわと双蓮のストレスゲージが上がっていく。数値が85に達した時、ぴくりと双蓮の眉が跳ねた。
それからわずかに口元を上げると、わずかに左にずれた。
瞬間、喧騒に紛れ、空を切る音。
双蓮がいた場所には祭りに相応しくない鈍色に輝く刃。
双蓮はそれを確認するまでもなく、獲物を仕留めそこねた刃を右足で地面に縫いとめ、それを軸に振り返った。
もちろん手に収められた愛銃と共に。
「どーも、コンバンワ」
そこにいたのは銀髪赤眼の男だが、そう断言するには顔立ちが女性だ。相手も口元を上げているが、双蓮のものとは違い、酷く引きつっており、額には脂汗が浮いていた。
しかしそんなことはどうでもいい双蓮はさらに続ける。
「違う気配が紛れ込んでるとは感じていたけど、まさかそっちから来てくれるとは。手間が省けた」
「ははっ、まさか気づかれるとは思ってもなかったぜ」
「気配の殺し方は完璧だったが、賑やかなここにおいては異質すぎて逆に目立つ」
「さて」と無駄話はこれまでだとでも言うように深い息をつく。
「アンタの目的は?」
「そのセリフ、そのままそっくり返すぜ」
「答える義理はないと?」
双蓮の問いに苦い笑いで返す。
さっきの奇襲といい、話してみた感触といい、どうも双蓮には目の前の人物がこの空間を作り上げてる元凶と結びつかなかった。
案の定な答えに獲物を見つけたことで下がり気味だったストレスゲージが再び上昇を始め、引き金に掛けている指にわずかに力が入る。双蓮のわずかな変化に一層焦燥の色が濃くなる。
「まあいいや。あれこれ考えるのは得意じゃない。例えハズレだったとしてもアタシに危害を加えた時点で敵であることに変わりはない」
静かにシリンダーが回る。
「っ!」
しかし引き金が最後まで引かれることはなかった。
彼女の籠手に巻きつく鋼糸。
「こんばんは」
穏やかな挨拶とは裏腹に背中に感じる激しい殺気。
「こんばんは。ぶっそうな挨拶をどーも。コイツの仲間?」
「ええ、一応は」
「一応ってなんだよ!!」
切れ味のいいツッコミが飛んでくるが双蓮は華麗に無視した。双蓮はずっと赤い眼を見据えたままだが、背中に突き刺さる視線にじわりと嫌な汗をかく。
「……」
ぎちぎちと腕が震え、これではなかなか標準を合わせられない。祭りには不釣合いな一触即発の空気が三人を取り巻く。
ところが均衡状態に早々と終止符が打たれる。
「はいはーい両者そこまでー」
パンパンと手を叩く音と共に間延びした声が三人の耳に届く。反射的に三人全員がそちらを向くとそこにはそれぞれ見知った顔があった。
○
「と、いうことは双蓮さんたちも同じく迷い込んでしまったわけで、犯人というわけじゃないんですね?」
「ああ」
水櫁の仲裁により一時休戦。お互いできるだけ手札を切らないように話を進めていたが、どうやら元凶ではないことがわかった。
「その、悪かったな。いきなり襲っちまって」
「いや。アタシのほうも。アンタの仲間が止めてなかったら確実に撃ってた」
「まあこれでおあいこさんってことで」
双蓮の謝罪は確かに中身が詰まっていたが、さらりと『撃った』と言い放ったことに今一度あの時の殺気を思い出し、嵐詩は僅かに顔を引きつらせる。一方、双蓮のほうも冬夜の視線を思い出し、ひやりとしていた。
「でもよかった!! 水櫁ちゃんたちが敵じゃなくて!!」
「何が『よかった』だこンのバカ猫!!」
ピコーンと小気味よい音が響いた。「いったーい!!」と叫ぶ那都に椿姫はつらつらと「バカ猫」だの「チビ猫」だのと罵倒を浴びせる。ピコピコ鳴る音はとても可愛らしいのに対して椿姫の鋭い罵声のミスマッチ。それを見て双蓮が冬夜たちに言う。
「おいおい、止めなくていいのかよ」
「ああ? 別にいつものことだしな」
「椿姫は心配してたんですよ。ああなるのは、まあ、愛情の裏返しってやつです」
「いい保護者さんですねえ」
うんうんと孫たちを見守るお婆ちゃんのように頷く水櫁がちらりと双蓮に視線を送る。
「……なんだよ」
「あなたは心配してくれなかったんですか?」
「なんでまた。心配するだけ損でしょ」
双蓮の顔にはでかでかと嫌悪の二文字。
「うわ酷いっ! 聞きましたお二人共! この温度差!!」
「大丈夫ですよ。双蓮さん、水櫁さん見たとき張り詰めてた空気が一瞬に霧散しましたから」
「は!?」
「え、本当ですか?」
「はい」
冬夜は、それはもう清々しい笑顔ではっきりと答えた。
「これが噂のつんでれってやつですね!」
「バカッ死ねっ!!」
双蓮は咄嗟に数発撃つもまるで彼女をおちょくるようにそれをひらりと躱す。色々とキャパオーバーした双蓮の銃声は椿姫のピコハンと同じぐらい続いた。
ちなみに否定しないということはつまりそういうことである。
○
さて、2人の怒りが収まったところで6人はどうしたかというと、
「椿姫ちゃんみてみて!! 風鈴めっちゃ綺麗だよ!!」
「ちょっ冬夜妨害すんな! 負けてるからって俺の投げたやつにわざわざ当てるとか卑怯だろ!?」
「あ、双蓮はどうでした? え、6等? ふふん、自分の勝ちですね」
存分に祭りを満喫していた。
「あーあーわかったから騒ぐな」
「別に妨害なんかしてないですよ、ただちょっと手元が狂っただけで」
「5も6も変わんねえだろうが」
那都や嵐詩はまだしも、二十歳を超えたいい大人がたかが300円のくじ引きで、しかも大した数字を当てたわけでもないのにこのドヤ顔はないだろう。
そう双蓮は口にしそうになったが、先ほどたかが100円の型抜きに本気になったところを指摘されると何も言えなくなるので最初から言わなかった。
眉間にしわを寄せていた椿姫も元が箱入りのお嬢様だったからか、口では那都をなだめつつも目は好奇心でいっぱいだった。
「さて。ここまで、ですかね」
先頭を歩いていた水櫁が止まった。
永遠とも思われた露店の行列は突如終わりを告げた。祭りからぶつりと切断された水櫁の一歩先はまるで白い壁がそびえ立っているように錯覚させるような空間が広がっていた。
「なんだこりゃ……」
嵐詩がみなの心の声を代弁する一方で冬夜は「あーなるほどー。そういうことだったんですねえ」と一人で納得していた。
「どういうことだ?」
「これはすべて誰かが見てる夢ってことですよ」
「夢?」
「しかもあまりよろしくない状態で見てる、ね」
何が起こっているかわかった水櫁と冬夜が言うには、ここは俗に言うあの世とこの世の境目、黄泉路らしい。死にそうになっている誰かがこの境目で綱渡りしているところで見ている夢だとか。水櫁が最初那都にここのものを食べてはいけないというのは、黄泉で何か口にすると二度と帰れなくなるからだそうだ。
端から丁寧に説明をする気のない2人は「まあこの先へ進めばすべて丸く収まります」と揃って言った。
「それにしても誰が見てる夢なんだ?」
椿姫が問うが、2人もそこまではわからないらしい。
「え、じゃあ水櫁ちゃんたちとはここでお別れなの?」
「そういうことになりますね」
せっかく仲良くなれたのに、と口を尖らせる那都。嵐詩は「別にまたどっかで会えるだろ」と珍しく励ましの言葉を送ったが、それでも那都の表情は晴れない。状況が状況だけにうまい言葉が見つからず誰もが口ごもる中、水櫁は思い出したように手を打った。
「大丈夫です。また会えますよ」
そう言って水櫁は那都の前にしゃがみこむと、彼女の手に何かを乗せた。彼女が手渡したのは小さなビー玉だった。光に照らしてよくみると中に向日葵のような花が閉じ込められていた。
何の根拠もない言葉だったが、ふにゃりと笑う水櫁に那都は「うん」とゆっくり頷いた。
「あーやめやめ。俺、こーゆー湿っぽいの大っ嫌いなんだよ」
「馬鹿犬と意見が合うとは明日は雨か?」
「っかく人が気ィ使ってんのにてめえは!!」
「落ち着け2人とも……」
湿っぽい空気を一気に乾燥させる椿姫と嵐詩に双蓮が間に入る。実はお祭りを楽しむ一方でちょこちょここの2人の仲裁に入っていた。「アンタの仲間だろ? 何とかしてくれ」と冬夜に抗議したが、「いつものことですから」と丸投げされ、このやりとりを何度か繰り返すうちに双蓮も諦めて彼女には何も言わないようにした。
「さあさあ、早いところ帰りましょう」
冬夜の一言で全員が横一列に並ぶ。
「それじゃあ。またどこかで」
○
「起きろこンの馬鹿猫!!」
「んにゃあっ!?」
ぴこーんと聞き慣れた音と感触に跳ね上がる。
「あ、よかった。起きたんですね」
濡れた白いタオルをもつ冬夜が言う。
「ったく、心配させてやがって」
「えっ、えっ、何どうしたの?」
「あ、なんだ、お前熱中症で倒れたの覚えてねえの?」
「ねっちゅーしょー?」
「あ、やっぱりバカ猫だ。心配しただけ損したわ」
「な、なんだとぉ!?」
少し離れたところにいた嵐詩にベッドから降りようとしたが、ふらりとバランスを崩す。
「まだ寝てろ」
それを受け止めたのは椿姫。そのまま枕のほうへ突き倒すとわざと顔面を覆うようにシーツを乱暴にかけた。そして「煙草買いに行ってくる」と一言残して椿姫は出て行った。嵐詩も「俺もー」とあとに続く。
ばたんと完全に出て行ったあと冬夜はいつもどおりジープで走っていたら急に那都の顔が青ざめ、と一連の流れを説明した。
「嵐詩もでしたが、あのときの椿姫の慌てっぷりと言ったら」
いまでこそ意識を取り戻した那都に笑い話として語るが、当時は全員が混乱していた。
「そっか……。心配かけてごめんね」
「いいんですよ。でも次からはちゃんと言ってくださいね?」
「うん!」
「それじゃあ元気になってもらうために腕によりをかけて夕飯作りますかね? 何が食べたいですか?」
「えっとね! カレーでしょ、ハンバーグでしょ、それから餃子にチャーハン、酢豚に――あ、冬夜の作る肉じゃがも食べたいなあ!」
「はいはいわかりました」
困り顔の冬夜を見送ってからふと何か忘れているような気がすると首をかしげた。でもそれがなんなのかわからず、那都はもう一度枕に顔をうずめた。
窓の外では太陽の光を浴びて大輪の向日葵が盛りを迎えていた。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
(以下、お礼。名前変換ないです)
誕生日ということにかこつけてみーさんにリクエストさせて頂いたうちよそ小説!有り難く持ち帰りましたっ
水櫁さんと双蓮さんたちも大好きな私としては、これ以上ないような幸せなお話でした……うちの四人が二人と一緒にいるうぅ……
水櫁さんと那都コンビが、可愛くて癒しです。なんで、同じ世界線にいないんだっ!←
双蓮さんからの嵐詩と冬夜の登場のところ、かっこよすぎてたかまりますなっ
水櫁さんと双蓮さんのやり取りも凄く好きですし、なによりうちの四人がうちよりうちらしい!(え?)
あと双蓮さんには申し訳ないです!ごめんねっめんどくさい人達の世話役になってもらって…!!;
他にも沢山言いたいことあるんですが、自重しておきます。
世界観も言葉も文章も全てが好みで、あとは自慢したくてこちらで公開することを許可して頂きました。
お持ち帰りはご遠慮下さい。
改めまして、みーさんありがとうございましたっ!
気になった方は、bkmからお邪魔してみて下さい
龍桜
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