ひみつをわかちあう春とは、
なんてひめやかでひそやかで、
甘いものなのだろう。
わたしのせいたいから、
のどが爛れるおとがする。
となりあわせたざんこくを蝉は
ただただみをこがして嘆くばかり。
とおかめにして
夏をしらずしんでしまう。
さだめ。
とわをちかうのに
秋というのはざんこくすぎる。
だってほら、
いつかは厭きてしまうだろう、
誰かとくちづけあうしぐさのやうに
せなかから、
あなたの声をほっしている。
おねがい冬よ、まださるな、
このひとがいとおしいから。
触れるいいわけをきみのせいにして。