黒子のバスケ | ナノ

近付き触れる心


「どっちのコースがいいー?」
「ん、どっちでもー」
名前とのデート記念にプリクラを撮ることにした。
本当に女子っつーのはこういうのが好きなんだな。
まぁ俺も嫌いじゃねーけど。

「ねぇ高尾くん、背景どれがいい?」
「好きなの選べよ。あ、俺これがいい」
6つの背景を決めるとさっそく撮影がスタートする。
フレームに合わせて2人でポーズを決めていく、ほんとどんなポーズ決めたって名前は可愛いんだよなぁ…。

5枚目を取り終えたときに名前が俺に言ってきた。

「高尾くん、絶対カメラ見ててね?」
「ん?おー、もちろん」
心なしか顔が赤くなっているのには触れずに俺はカメラに目線を合わせる。
3.2.1とカウントダウンが始まりシャッターが降りる瞬間。
俺はカメラから目線を外し顔をぐっと横に向けた。
そこには案の定、名前の顔。
予期しなかったキスに顔が驚きを隠せていない。

「っ!?!?」
「…お前分かりやすすぎ」
「カメラ見ててって言ったのに…!」
「俺のホークアイはそんな事関係ねーの。ほら次どーすんの?」
そう聞くと名前は真っ赤になりながら小さな声で言った。

「…ちゅー…したい」
「仰せのままに、お姫様」
俺が名前にキスをした瞬間、カメラのシャッターがパシャリとおりた。




「…もう、せっかく高尾くんをびっくりさせようと思ったのに…」
「ごめんって。つい、な?」
「…今度は私からほっぺにちゅーするから!」
「…それは…嫌だ」
俺がそう言うと名前の顔がみるみるうちに曇っていく。
今にも鳴きそうな名前の耳元で俺はこう言った。

「名前のそんな可愛いトコ、カメラに見せたくねーっつの…」

そう言われた名前はきょとんとした後、溜まった涙を涙で掬いながら優しく、笑っていた。

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