「それでね、さっき若松先輩が…」
「へー、まじで?」
部活が終わった後、桜井待つ名前は青峰と話していた。
テストの点が悪く、補習帰りの青峰とたまたま会ったのだった。
「そう!でね…」
「お、良来たぜ。んじゃあな」
「あ、うん。また明日…」
手をひらひらと振り、去っていく青峰。
その背中を見送った後、体育館から出てきた桜井の元に駆け寄る。
「良くん、お疲れ様っ」
「はい……今誰といたんですか?」
「え、青峰くんと喋ってたんだけど…」
“青峰”の名前を聞いた途端、機嫌が悪くなる桜井。
名前がどうかした?と聞こうとしたその瞬間。
手をぐいっと引かれ、壁に押し付けられる。
「っ……り、良くん?」
「名前さんはバカなんですか?」
「…っえ?」
荷物を全部地面に降ろし名前に話しかける。
突然のことで何が何だか分からない名前。
聞き返そうとする名前の言葉を遮り言葉を続ける。
「僕がいない間に青峰さんと喋ってた…んですか?」
「良くっ……っん!」
言葉を繋げようとした名前の唇を塞ぐ桜井。
そのまま口腔を犯せば耳まで赤く染まる名前。
「…っぅ…良く…んっ」
「…分からない名前さんにはお仕置き、したほうがよさそうですね?」
そういうと名前の手を引いて歩き出す桜井。
「ちょっ、良くんっ!?」
「明日が休みで良かったですね、名前さん」
そういう桜井は、小悪魔のような笑みを浮かべていた。
―――――僕だって、嫉妬ぐらいします。
(――――名前ちゃん、今日の部活は?)
(――――さつきちゃん…ごめん、腰痛くて…無理…)
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