黒子のバスケ | ナノ

確かにここに居る君へ


初めて彼氏の家に行くときは、誰しも緊張するものだと思うの。
かく言う私が、今そうなっているわけで。

「お、おじゃま、します…」
「どうぞ、みんな出かけていて誰も居ないので、楽にしてください」

優しく招かれた黒子くんの部屋は綺麗に片付いていた。
バスケットボールと新品のバッシュが部屋の隅においてある。
とりあえず適当に座ると、飲み物を持って黒子くんが戻ってきた。

「お待たせしました…あ、バッシュ。改めてありがとうございます」
「ううん、喜んでくれたようで何よりだよ」

早めのクリスマスプレゼントとして買ったバッシュ。
貰った時の嬉しそうな表情が、未だに忘れられない。

「…名前さん、やっぱり怖いですか…?」
「…っえ?」
「いえ、あの緊張していたように見えたので…」
「あっ、ご、めん…やっぱり、少しだけ…」

友達の話を聞いていると、彼氏の家に行って初めてシた…とか。
そういう噂を聞くから。
黒子くんは、きっとそんなことしないと思うんだけど…。

「そんな顔しないでください、大丈夫ですから」

そう言って頬に軽くキスをする黒子くん。
耳まで真っ赤になっているであろう私を見てくすりと笑う。

「本当に名前さんは可愛いですね…、いつまで我慢できるか、少し心配です」

ちょっと意地悪に笑った黒子くんの耳はほんのり赤く染まっていて。
そんな黒子くんを、少しだけ、可愛いなって思った。

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