黒子のバスケ | ナノ

沢山構ってほしいだけ



「はい、できたわよ」
「わー、やっぱ凄いね!ありがと、玲央!」

お昼休み、ご飯を食べた後に玲央が髪を結んでくれる。
最近のふたりの、お気に入り。
私は不器用であんまりうまくできないから、
玲央がやってくれると、すっごく綺麗にまとまる。

「なんで自分でできないのかなー」
「それは慣れてないだけよ。ずっとやればちゃんと出来るようになるわ」
「ふーん…」

後れ毛一つない綺麗なポニーテール、こんなに上手く…。

「できないよ…私ぶきっちょだし」
「そう…、ならできないままでいいわよ」
「…っえ?」

冷たく言い放った玲央は私の髪の毛に口付けながら

「私がずっとやってあげるから」
「…ずっと?やってくれるの?」
「もちろん、カワイイ名前ちゃんのためだもの」

一瞬ウィンクをした玲央は、ぎゅっと私を抱きしめた。
そして抱きしめたまま、私の耳元で。

「それに、知ってる?私がポニーテールしかしない理由」
「理由…なんてあるの…?」

そう言うと少しだけ息を吐いて、さっきよりずっと低い声で、
いつもの玲央じゃない玲央で、こう言ってきた。

「ポニーテールだと、うなじが見えんの。わかんない?」
「う、う、うなじ!?!?」
「そ。つまり、こーゆーこと…っん」

首筋に一瞬の痛みが走る、しばらくしてそれがキスマークだとわかって。
Yシャツで隠れるギリギリのところに紅い華が咲く。

「…っ、ちょ、玲央…っ、そこ、見えちゃ…」
「いいよ、見せつけてやれって。名前は俺のだってさ」

首筋へのキスは執着の証、そんなのどっかで聞いたことあるな、
なんて思っていたら玲央の手はどんどん下へ。
あと少しで昼休みが終わる、なのに。

「ね、ちょ、休み時間終わっちゃ……っっ!!」
「あ、今感じた?」
「ち、ちがっ…!!」

意地悪な玲央に必死で抵抗する、けど所詮女子と男子。
しかも玲央はバスケ部レギュラー。
力量差なんて月とすっぽん。

「いーじゃん、1時間ぐらいサボれって」
「…っ、あとで勉強教えてよ、」
「はいはい、じゃ、本人の許可も出たし…な?」


このあと、屋上で、玲央に美味しくいただかれたのは、
まぁ言うまでもない、よね。

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