黒子のバスケ | ナノ

甘いマスクと比例した、



「…好きです、由孝くん」
「ありがとう、でも…」

目の前で、彼氏が告白されています。
そりゃ由孝くんはかっこいいからモテるし、その女の子が好きだから…。
ナンパすることはいっぱいあったけど…。

「名前が好きなんでしょ?知ってる。」
「あぁ…ごめん」
「…彼女いるなら…っ、ナンパなんてしないでよ!」

ごもっともです。
でも、そんなところを含めて由孝くんだから。
確かにあんまりいい気持ちじゃないけど、やりすぎないならいいんじゃない…かな
って私は思うんだけど、そんな気持ちを由孝くんには言えずじまい。

「いや、それは…」
「なんで、なんで名前なの!?私のほうがずっと前から…由孝くんのこと好きだったのに…!なんで!」
「ちょっと…声でかい…!」


「名前には悪い…けどっ、なんで由孝くんと…!地味であんまり目立たないのに!
なんで…っ!」


ぼろぼろと泣き崩れてしまったその子は、私の友達で。
由孝くんのことが好きなのも知ってた、でも私が、由孝くんと付き合うことになって。
やっぱり気まずくなって、私はそっとその子のそばを離れた。


「…ふざけんなよ」
「「…っえ…?」」



「名前のことを悪く言うな!友達なんじゃないのか!
…友達の幸せを喜んでやれねぇ奴なんかこっちから願い下げだ」


そう言って、ずかずかこっちに歩いてくる由孝くん。
もしかして、私がいるのに気づいてた、かな…?

「帰るよ、名前」
「っあ、由孝くん…っ」

手を引かれながら振り返った後ろには、もう誰もいなかった。




「…由孝くん、起こると怖いね」
「そう?俺は思ったままを言っただけなんだけど」
「…かっこよかった、ありがとね。由孝くん」
「名前にそう思ってもらえたなら、悪くなかったかも。
なんてね」


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