黒子のバスケ | ナノ

極上の愛情



先輩、わかってます。
知ってるから、だから大丈夫。


「先輩っ、」

ぎゅっと水戸部に抱きついた名前はニコニコと満面の笑みを浮かべていた。
一瞬びっくりした後、名前の姿を見てふわりと微笑む水戸部。

「先輩、誕生日おめでとうございます!」

そう言えば嬉しそうに笑って、名前の頭をなでる。
水戸部が喋らないのは、いつもの事で。
なのに。


「_____」


かすかに動いた水戸部の口元を、名前は見逃さなかった。
たった5文字の感謝の言葉が、初めて。


「先輩いま…!」


ありがとうって…と言いかけた名前の唇に人差し指を当てる。


「___」


その3文字のあと、塞がれた唇。
真っ赤に染まっていく名前の顔と同調するように、
水戸部の表情が少し、いたずらっぽくなっていった。

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