黒子のバスケ | ナノ

堪え切れない衝動

「10人とか…めんど」
罰ゲームとなった青峰はだるそうに教室の天井を見つめる。
さらさら罰ゲームなどする気はないのだが周りがうるさいのでとりあえず適当に「I Love you」と9回呟く。

「青峰、1回足んねぇぞ」
同じ班の男子がさらりと指摘するも完全無視。
そのまま鞄を持って教室を出ていってしまった。
青峰くん!―――
止める桃井の声も聞かずにすたすたと立ち去る青峰。

「罰ゲーム、やってやろーじゃねぇの」
そう言ってニヤリと笑った青峰は校門の外へと足を踏み出した。


30分後、青峰が向かった先はバスケットコートでも無く自宅でもない、誠凛高校だった。
校門前にたどり着けばちょうど授業の終わりを知らせるチャイムが鳴る。
カチカチと慣れた手つきでメールを送信した青峰はまたニヤリと笑っていた。
10分後、息を切らし走ってきた名前は青峰の姿を見つけると満面の笑みで青峰の胸に飛び込んでくる。

「青峰くん!」
「よく来てるってわかったな」
「教室の窓から見えたの、だから掃除サボって来ちゃった」
えへへと笑う彼女の手に握られている携帯、その画面には青峰からのメールが表示されていた。

「あ、そうそう。これどういうこと?」
すごく嬉しいんだけど…と言いながら青峰に見せたメール画面にはたった一文
『I Love you』と書かれていた。

「あぁ…罰ゲーム」
「え、罰ゲーム?本心で打ったんじゃないの?」
不機嫌そうな顔で問いかける名前。そんな名前を見て青峰はさらに不機嫌そうな顔でこう返す。

「はぁ?誰も本心じゃねぇなんて言ってねぇ…っ」
「あ、本音出た!」
さっきとは打って変わって明るい表情を見せる名前。
やってしまった、と頭を押さえる青峰。
しばらくの沈黙後、青峰は名前の手を引いて歩き出した。

「ちょ、青峰くんどこ行くの!?」
「俺の家、なんかむかついた。ヤらせろ」
「はぁ!?ふざけないでよこのエロ峰!」
言った直後にしまった、という顔をする名前。
またもニヤリと笑った青峰は暴れる名前を軽々しく抱き上げる。
抱き上げられ真っ赤な顔の名前に向かい青峰は囁く。


「…I Love you…」

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