黒子のバスケ | ナノ

好きだからって聞こえた

「あっつ〜い」
「ねー」
エアコンが程よく効いた室内でアイスを片手にぐだる紫原と名前。
今日の最高気温は34度、もう少しで猛暑日と天気予報で言われてしまうような気温だ。

「ねぇ、雅子ちんが言ってたんだけどさ。エアコンがすげー効いた部屋でココア飲むのってしあわせなの?」
ソーダ味のアイスを両手に持った紫原が尋ねる。

「それ、正確に言うなら毛布にくるまってココアを飲む、ね。やっちゃだめだよ。地球に優しくないから。」
苺味のアイスを両手に持ちながら冷静に答える名前。

「それ、何が面白いの?」
「私もやったことないからわかんない。でもまぁ、毛布にくるまってココアなんて冬みたいだからね。真夏に冬の気分になれるから…とかじゃない?」
頼りない自分の知識をたぐり寄せて、推測の答えを述べる名前。

「ふーん…ねぇ、アイスちょーだい?」
「ん、いいよー。敦のも頂戴」
お互い味の違うアイスを一口ずつ食べ合う。
いつのまにか2人の間にできていた空間はなくなりぴったりとくっついていた。

「ねぇ、あだ名ちんー、あっついー」
「えー、でも嫌じゃないでしょ?」
「まぁー、あだ名ちん限定、ね?」
そういって名前に擦り寄る紫原は大きな大きな子どもに見えた。


(――あ、アイス無くなっちゃった…もう一本…)
(――だーめ、今日はもう終わり!)
(――えー?けち!)

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