しとしと、








連日の雨の中、傘もささずに河原までやってきた。


雨の中、微かに香る春の匂い。まだまだ肌寒い日もあるけれどだいぶ暖かい日が増えてきた。


こんな時期って着るもの悩むよね、昼間あったかいのに夜はめちゃくちゃ寒かったりさー。





「あいつがいなくなったのもこんな日だったっけ…」












けして仲が悪かったわけじゃない、と思う。
喧嘩はそりゃしたけど、そこそこ好きだったし。普段は結構ラブラブだった気がする。


あいつは歩くの遅くて、いつもあたしの1歩後ろを歩いていた。そんな関係がちょうどよかった。
永遠なんて柄じゃないけど、







「ずっと一緒にって思ってたんだけど…なぁ……」












いつもヘラヘラ、フワフワしてて掴み所ないやつだと。フラッとあたしの前に現れて、あたしの心をさらっていった。


その時から薄々感じてた。いつか、あたしの前から消えてしまいそうだと。


その背中に背負ってるたくさんのもの、わけてほしかった。
なんて、今更言っても遅いんだけどね……


今はどこで何してんだか。ちゃんと生きてんのかねー、まったく。
仕事とかプー太郎だったりして………ありえる。














「ははっ、まだ引きずってるなァ……」
















お願い。どうか、まだ

降り止まないで。せめて涙がとまるまでは、






桜が雨で散る。
一緒にこの想いも連れてって。






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