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!もしも主人公が真由成り代わり主だったら第三弾
!容姿は本編と変わらず。性格のみ真由に近い



▼少女漫画家の妹は柔道部

「葵ちゃんってやっぱり帰宅部?」

先日会った野崎葵は目の前の紫髪の相棒よりも面倒臭がりな性格だ。
なので十人中十人がその性格から帰宅部だと推測するのは極自然な事だが、現実は違った。

「ううん、葵ちんは柔道部だよー」
「・・・・・・What?」
「だから柔道部」
「柔道って武道の一つで有名なあの柔道?」
「うんそうだよー」
「・・・なんか意外だね」
「しかも主将なんだー滅茶苦茶強くて帝光でも敵無しだった」
「!?」

"あの"葵が柔道部でしかも主将・・・!?

それは普段の彼女を知っている氷室からすれば凄まじい衝撃を受けた。
そして彼の思考が行き着く先は皆と同じ所だった。

(詐欺だ!!!)



▼帝光時代の生活態度

「葵ちゃん!もうすぐ体育だから!体操服に着替えて!」
「・・・」
「面倒臭がらないの!ほらちゃんと着替えたら柔道の自主練に付き合うから!青峰君が!!」
「!」
「オレかよ!!ふざけんなよさつき!!」

青峰VS葵の柔道の戦歴は圧倒的に葵の方が勝率が高い。
それを知っても尚桃井の追撃は終わらなかった。

「あ、葵ちゃん。ちゃんとしたら青峰君を今日の放課後から早速連れてくるからね」
「・・・(こくり)」
「勝手に決めんな!決定権はオレにあるっつー事を忘れてね!?
ていうか野崎とさつき、オレは絶対行かねえからな!」
「これが(兄さんが言うところによる)ツンデレ」
「今のがツンだからそろそろデレが来るかな?」
「来るか!!おい野崎こういう時だけ喋るな!!」
「ひどい青峰君、葵ちゃんだって話す時は話すんだよ!」
「時と場合によるっつーの!!」

「・・・・・・」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ青峰と桃井を死んだ目で見る。
これが彼女の朝の日課である。



▼委員会のメール報告

「ねえ葵ちゃん、赤司君がメール送ってた筈なんだけど見た?」
「・・・(こくり)」
「やっぱり!じゃあ早く返事を打ってあげて!赤司君も返事を待ってる筈だから」
「・・・」

無言無表情のまま葵はポケットから携帯を取り出し、桃井にす、と手渡した。

「・・・さつき、メール、お願いします」
「自分でやろう!?文章は考えてあげるから!!」

メールをするという行動さえも面倒臭がる少女から代筆を頼まれた桃井は流石に突っ込んだ。
彼女に任せると最悪単語のみになるに違いない。
そしてそれは正しいようで間違いでもあった。

「・・・」
「って、ああ葵ちゃん!まだ文章を打ち込んで・・・っ空メールで送るの!?待って待って流石にそれは赤司君も怒、ってあああっっ!!」

ぴろりーん、という軽快な音がこの時ばかりは桃井も絶望にさえ感じさせたのだった。



▼空メールを送られた赤司の反応

無機質な音と共に届いたのは一通のメール。
画面を開くと其処には待ちわびた彼女からの返事だった。

赤司はようやくか、と思ったのも束の間、指と思考の動きがこの時完全に停止した。

「・・・」
「赤司?どうしたのだよ」
「・・・・・・うん、まあこうくるとは思わなかったというべきかな・・・」
「は?」
「単語だけで来ると思っていたんだがやはり彼女はオレの予想をことごとく上回るな。
最早尊敬の域だ」
「・・・」

感心した素振りを見せる赤司だが目の前にいる緑間は気付かなくても良い事に気付いてしまった。

「(目が据わっていて怖すぎるのだよ・・・!!)
赤司、誰からだ?」
「緑間もよく知っている野崎だよ。
二時間前にメールを送って今ようやく返事が来たんだが・・・ふ、まさか空メールを送られてくるとは思わなかった」
「・・・・・・」

みし、と赤司の携帯が悲鳴をあげたような気がするが緑間は全力でそれを聞かなかった事にしようと耳に蓋をしたのは余談である。



▼後日談

「っていう事があったんだよね」
「・・・」

極端すぎる。

氷室はそう思ったが今更なのでそれを口に出す事はせず、代わりに深い溜息を吐いた。

「帝光の時はよくさっちんに世話を焼かれていて、その度に峰ちんも巻き込まれてー・・・」
「峰ちんって、桐皇の?」
「そー。その峰ちんがいつも柔道の特訓の生贄にされていつもボロボロだったなあ・・・」

懐かしい、と言いながら飴をがりがりと食べる紫原を何とも言えない表情で見る氷室。
その光景は葵が関わってから日常となってきているのは最早言わずもがなである。

ブログ編まで行こうと思ったのに、いつの間にかリクエストがあった話になりました。
ちなみに赤司宛のメールの話は話を聞きつけたキセキによって拡散されました、というオチ。

20150105