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!復活×暗殺
!デフォルト名:哀川(蒼月)棗
!設定は此方



光があるところには必ず闇がある。
その光が強ければ必然的に闇も強くなる。

人も同じ。
幸福に育ち、挫折や絶望を知らずに生きる人間もいれば不幸に育ち幸福や希望を知らずに生きる人間もいる。


―――彼はどちらかと言えば、後者寄りのニンゲンだ。




「・・・・・・仕事?」

紺碧色の瞳が探るように見るその視線を物ともしないかの"赤色"はシニカルに笑う。

「そうだ。中学に行ってなかっただろ?だからほら、丁度良い機会だし行っとけ行っとけ」
「俺は、」
「あの跳ね馬だって中学行ってたってリボーンも言ってたぞ?」
「それってあれだろ、マフィア専用の学校、」
「だああっ良いから行ってこいっつってんだろーが!
お前んとこのボスにも言っといてやる!」
「(絶対に平和に解決しないだろうな)・・・・・・はあ。ちなみに場所は?」
「場所は日本の椚ヶ丘中学校。
明後日からお前は其処の生徒として通う事になってるからまー頑張れ」
「・・・・・・はあ!?」
「何だよ何だよ、めっずらしーじゃん棗がそんな顔をするなんてよ」
「っ誰のせいだと・・・!
今から行かないと間に合わない、つーかもっと早く言えよ!」
「ええー?」
「・・・・・・(いつか絶対ぶっ飛ばす)


"赤色"に僅かな殺意を抱きつつ、これ以上付き合っていられないと言わんばかりに足音を立てつつ部屋を後にする。


ドアを隔てた部屋から"赤色"の声は聞こえる事無く、棗はただ歩く。
"赤色"は今まで浮かべていた皮肉気な笑みを消し、ただ一言呟いた。


「探しもの、今度こそ見付けてこいよ―――棗」




金色に近い茶色がかった髪が揺れる。
肩よりも短い髪の間から覗くピアスも、また揺れる。
ゼロを示す数字と、彼の闇を示す黒曜石色。


―――こうして彼の物語が幕を開ける。


これは、暗殺者と標的によって織り成す奇妙な教室に転校するまでの物語。

誰も知る由もない、"最強"の二文字を掲げる養い親とその子供の奇妙な会話の一欠片。



  □■□



月を爆破し、これからずっと三日月しか見れなくした張本人の殺せんせー。
そんな担任の元で授業を受けてから一ヶ月。
季節外れの転校生がやってきた。


「皆さんに朗報です。
転校生の蒼月棗君です、皆さん仲良くするように!」

相変わらずの笑顔でそう言った殺せんせー。
だけどこの時期、このタイミングでE組に転校してきたという事はただの転校生ではない事は明白だ。
だから、僕は内心で固唾を呑む。

金色に近い茶髪。
肩よりも短く切られた髪。
前髪から覗く瞳の色は紺碧だ。
ハーフか何かは分からないが華やかな容姿を持っていて、男子の制服じゃなかったらきっと女の子だと勘違いしていただろう。

・・・そう思ってしまう位、彼は中性的な容姿だった。


「彼はイタリア人と日本人のハーフ。つい一昨日までイタリアにいたとか・・・。
更に日本語イタリア語英語等多種多様の言語を身に付けているそうで・・・ヌルフフフ、皆さんの学力を上げるのに一役買ってくれそうです」
「待ていつそんな話をした」

一気に殺伐な空気になった教室。
心なしか蒼月君の空気が氷点下まで下がったような気がする。
現に隣にいる殺せんせーの顔が瞬時に引き攣ったからあながち間違いじゃないだろう。



そして。
見かねた烏間先生が彼についての補足をしてくれた。
そして。
分かっていたけれどやはり普通の人ではなかった。
そして絶句する。
裏社会のイタリア、巨大マフィアに身を置き、組織も彼自身も有名な暗殺者だという。
見た目ではとてもそんな風には見えない。
だけどそれが一番良いんだろうとも思う。
コイツは敵にすら成り得ないと思わせておけば、後は勝手に敵の方から油断をしてくれるから。


「―――初めまして潮田君。
今日からクラスメイトとしてよろしく」

人形めいた蒼月君の顔は笑っていた。
傍から見てとても闇の人間とは思えない位、何処にでもいそうな男子中学生。

「え、あ、うん。
あ、僕の事は渚で良いよ。皆名前で呼んでいるし」
「良いの?じゃあ遠慮なく呼ばせて貰うよ」

にこり、と邪気のない笑顔でまた蒼月君は笑った。


―――こうして僕らの教室にまた一人、暗殺者が増えた。
地球滅亡まで、後Xヶ月。


暗殺教室ネタ!初の男主人公。
主人公は復活side、ボンゴレ暗殺部隊ではなく特務部隊に所属。
双子の妹を探す事も兼ねて日本に来日。
蒼月姓は偽名。獲物は銀色の銃。世界最強の金属が材料となっている。通常よりも大きめのサイズ。
カルマ君が大好きです!

20141123