その他 | ナノ

「鬼灯君とは長い付き合いだけど君のミステリーは尽きないね」
「そうですか?私は至って単純な男ですが」
「女の子の好みとか分からないしさー・・・一回お見合いでもしてみなよ」
「余計なお世話です、というか既婚者に向かって言う言葉ではないでしょう」
「そう言うと思ったよでもさあ・・・・・・既婚者?」
「どうしましたポンコツ大王」
「ポンコツ!?否それよりも鬼灯君今既婚者って言った!?言ったよね!?」
「五月蝿い!」

ゴッ


  ◎


「・・・鬼灯、閻魔殿がある噂で持ちきりだと聞いたのじゃが」
「噂ですか、はてどの噂なんでしょうねえ」
「・・・あくまでもとぼけるつもりか」
「貴女が首を縦に振って下されば、真実になりますよ」
「そなたに振り回されている閻魔大王達が不憫でならん」
「そうですか?私は貴女にいつも振り回されていますが・・・」

じゃら、と嫌に主張する鉛色の鎖を鬼灯は忌々しげに見る。
それさえ無ければ彼女は自由の身になるというのに。

「振り回されるのが嫌ならとっとと妾の首をもぐが良い。
そなたなら呼吸をするのと同じ位簡単な筈じゃ」
「嫌ですよ、というよりそんな事天地が引っ繰り返ってもしません。貴女は生きて貰わなければいけないんです」
「・・・・・・勝手にしろ、妾は付き合いきれんわ」
「ええ勝手にします」

みたいな。
何気に封神主人公。
鬼灯アニメ素敵過ぎる。芥子ちゃん可愛い(ノ´∀`*)




「貴女本当に頑固ですね、いい加減折れて下さいよ」
「たわけ、そなたの要求に頷いたら最後何をされるか分からんわ」
「嫁にするだけです」
「ますます首を縦に振れぬ」

じゃら、と鎖が鳴るが朱夏は慣れているのか一向に気にした様子はない。
それが鬼灯の勘により障るのだが彼女はそれを気にする素振りを見せない。

「・・・おやもうこんな時間ですか」
「そなたも多忙な身、こんな辺鄙な所へとそうほいほい来れない筈じゃ、とっとと帰れ」
「心配して下さるんですか、有難う御座います」
「違う!何でも良いように変換するな鬼灯!」
「今の貴女を一言で表すとするならツンデレというんでしょうね」
「・・・意味がよく分からんが無性に腹が立った。顔を貸せ鬼灯」
「嫌です。口付けてくれるなら別ですが」
「帰れ!」

みたいな。押せ押せ鬼灯様。



「そういえばつい先日はバレンタインでしたね」
「・・・世間ではそのようじゃがそれが一体どうした」
「貴女からまだ頂いていないなと思いまして」
「たわけ、そなたこの状況を分かっているのか!?
妾は封印されている身、チョコレートを渡すどころか買う・作る事も出来んわ!!」
「そういえばそうでしたね。ですが私は生憎チョコレートを欲しいと言っていませんよ?」
「・・・・・・はあ?」
「貴女の心が欲しいんですよ、今も昔もその思いは変わりません。
チョコレートなんて二の次です」
「・・・・・・口だけは本当に達者じゃな。
だがその思い、何度言われても応える事は有り得ん」
「良いんです、貴女が何と言おうと。
想うのは自由でしょう?なら私は勝手に貴女に思いの丈を囁き続けます」
「・・・報われんと言っているのに、お主は本当に大馬鹿者じゃ」

他の連載をそっちのけでバレンタインネタ。
・・・・・・ご、ごめんなさい(汗




「そういえば仙人って弟子を取るのが通例なんですよね?
そして修業中の仙人を道士と呼ぶのだとか」
「確かに妾達仙人界ではそう定義しておるが、唐突に何じゃ」
「いえ、貴女の仙人界での称号は『太上道君』なんですから貴女に弟子がいても不思議では無いなと思いまして」
「・・・確かに妾は道士ではなく仙女の立ち位置じゃな」
「しかも一介の仙女ではなく"あの"『三大仙人』の一人に数えられる大仙女でしょう」
「そんな称号には興味は無いが・・・妾に弟子はおらん。
元々弟子を取ろうと思った事が無いからな」
「それって許されているんですか?」
「大昔に原始の翁が何やら五月蝿かったが全部無視してやったら何も言わなくなったな」
「(・・・・・・諦めたんだな)
そうですか。ちなみに原始というのは」
「元始天尊の事じゃが?」
「やはりですか。
私も人の事は言えませんが貴女も色々ぶっ飛んでいると思いますよ」

見た目は若いので元始天尊の事は翁呼び。・・・年齢なんて気にしたら負けだ。



「・・・此処は夢か」
「・・・そうだよ太上道君。否、朱夏。
申公豹から聞いたけど本当に封印されているの?」
「・・・・・・老子?何故そなたが此処に・・・・・・成程夢が繋がったか」
「そうだよ。朱夏、質問に答えてくれる?」

若草色の髪の間から覗く琥珀色の双眸。
其処には誤魔化しを一切許さない色があった。

「・・・本当じゃ。
現実世界において妾の両手足には封印の鎖がある。
これを外さん限り妾は桃源郷に帰れぬ」
「へえ。貴女を封印するなんて余程の力の持ち主だったんだね。
でも伝説の三大仙人、『太上道君』を知らずに封印したの?」
「年がら年中ぐーすか寝ているそなたにだけは言われたくはないわ、そなたこそ三大仙人にして『太上老君』の称号を得ておるくせに!」
「私の事は置いておこうよ朱夏」
「たわけ!!」

彼女の真名を知り、且つ真名で呼ぶのは太上老君のみ。
だからなのか彼女もまた感情を簡単に表に出すのも彼だけだ。

「・・・そんな事より朱夏は何処に封印されているの?」
「黒点虎に聞いておらぬのか?」
「聞くのを忘れてた」
「おい其処は一番忘れてはならんところではないのか。妾がおかしいのか?」
「・・・・・・なんか眠くなってきちゃった・・・おやすみ朱夏」
「そなた妾の封印が解けたら覚えておけ、雷公鞭で丸焼きにしてやるわ」

太上老君大好きです(キパッ
彼の夢もっと増えないかな・・・。




!封印解除後

「もう鬼灯君には困ったものだよ、何とかしてくれない?」
「・・・今から性格矯正は不可能だと諦める方が良いじゃろうな。
無自覚程厄介なものはないぞ」
「だよねー・・・。今日なんて白澤君に頼りたくないからって、鍼とかお灸を据えたんだよ!?酷くない!?」
「・・・あやつの事じゃから普通にしたわけではなさそうじゃな」
「うん、その通りだよ・・・。さっきなんてわざわざ雷神呼んでさー・・・」
(流石閻魔大王、体が頑丈すぎるのも考えものじゃな)
「あっもしかしたらベタ惚れしている君の言葉なら鬼灯君も聞いてくれr」
「そんなわけあるか、妾の言葉なぞひねくれ者代表のあやつが聞くわけがないじゃろ。
聞くとしても精々鬼灯の天敵が絡んだ時位じゃ」
「確かに・・・(遠い目」

今回は閻魔様と。ずっと鬼灯だったから新鮮でした。
・・・閻魔様→主人公の呼び名、どうしよう・・・。
太上老君→老子みたいに呼び名があれば良いんだけどなあ。




「太上道君って長いですよね、『太上老君』=『老子』なんですから貴女も『道子』で良いんじゃないんですか」
「たわけ突然何を言うかと思えば。良いわけあるか!」
「相変わらずつれないですね」
「そなたも大概しつこいぞ」

容姿端麗な彼女だがその柳眉は逆立っている。
しかし鬼灯にとってそれは何処吹く風である。

「そなた地獄のNo.2じゃろ、何故こうもほいほい来れるのか心底謎なのだが」
「それは勿論閻魔大王を脅せば何とかなりますよ」
「脅すのか」

悪い顔をしながら平然と言う鬼灯に太上道君は戦慄する。
・・・この男。

「まあそんな忌々しい封印も解けば毎回現世まで行かなくて済みますからね。
というわけで早く私に惚れて下さいむしろ惚れろ」
「そんな告白の仕方聞いた事が無いぞ、そなたもう少し常識を学んで来い」

主人公VS鬼灯。
勝つのはどちらでしょうか。


20140313(Diary再録/201402XX~20140302)