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!過去編

気まぐれだった。
ずっと人間界で放浪の旅に出ていたから今度は黄泉の国でも、と本当に気紛れの筈だった。

「・・・・・・何じゃこのボロ雑巾みたいな少年は」
「・・・・・・ボロ雑巾とは誰の事ですか」
「おや、生きて・・・何じゃ元人間か」
「・・・は?」
「そなたの額に角が生えておる。
そしてそなたの体からは鬼火と僅かに人の気配が混じっておる。
日が経てば人の気配は消え、妾でも分からなくなるがそなた死して間もないだろう」
「よく分かりましたね、・・・・・・そういえば貴女の名前は何ですか」
「妾の名は太上道君。これからそなたを黄泉に連れて行く者の名じゃ」
「黄泉・・・?」
「そなたは元人間にして今は鬼じゃ。現世をその姿でうろついてみろ、そなた一発で捕まるぞ」
「・・・それは困りますね」
「ほれ、手を繋ぐぞ迷子になっては敵わん」
「・・・・・・手?」
「そうじゃ」
「手を差し出した途端、叩きませんか?」
「何の騙し討ちじゃ妾はそんな小さい事はせん、やるならより大胆にするわ。
そういえばそなたの名をまだ聞いていなかったの、教えてくれるか」
「丁です」
「丁?おいそれは召使いの意味じゃぞ、・・・丁度良い、そなたは一度死んだのじゃ。
なら新しい名を付けよう、そして新しい生を楽しむが良い」
「は?」
「(無視)そうじゃな、鬼火と人が組み合わさって鬼になったのじゃから・・・名前は丁。
なら鬼火+丁で『鬼灯』、というのはどうかの?」
「・・・・・・ほおずき?」

それは遠い遠い、気が遠くなる程昔のお話。

「そうじゃ気に入ったのならそのまま使ってくれ。
気に入らなかったら違うのを考えようぞ」
「・・・いえ、問題ありません。『鬼灯』、ですね有難く使わせて頂きます」

掌から伝わる温もり。
頭を撫でられる感触も、優しい声も何も知らない。
でも今知ってしまった。だからもう、知らなかった頃には戻れない。
死んでから分かるモノなんて何も無いと思っていたのに、それは簡単に覆されてしまった。


―――これは、一人の大仙女と後の鬼神になる男の物語。

主人公と鬼灯の出会いはこんな感じ。
丁君可愛いよ、芥子ちゃんと同じ位可愛い!




!両想い?
!微裏

「・・・っ」

ちゅ、と己のそれと目前の男の唇が重なる。
紫紺の双眸は瞠目し、朱夏の体が一瞬硬直したのを鬼灯がやすやすと見逃す筈が無い。

鬼灯は硬直した一瞬を逃さずにそれまで押さえ付けていた両手首を離し、同時に彼女の柳腰と後頭部に腕を回す。

「ん、・・・ふ、う」

力強い手が口を離す事を許さず、それどころか唇の間を割って鬼灯の舌が侵入してくる。
抗議しようと思ってもそれはくぐもって甘い声に変わるだけ。

「っ、朱夏・・・」

自身の真名を耳元で呼ばれ、朱夏は思わず力が抜けそうになった。
この男、本当に、

「ほお、ずき」
「・・・なんて顔をしているのです、貴女は」
「っふ、ぁ」
「すみません、朱夏。もう止められそうにありませんので、最後まで付き合って下さい」
「な、たわけ、んんっ、ふ、」

艶やかな声が喉で鳴る。
朱夏が鬼灯から解放されたのはそれから一刻程後の話。

頑張って書いた微裏。裏を書くのは恥ずかしいのもあるけど、私が書くと駄文極まりない・・・。流石にそれをupする勇気が無いorz
鬼灯夢もっと増えろ!
すみませんもう少し修行します(逃亡




「そなた特製、脳味噌汁を笑顔で飲める女性と結婚する」
「・・・は?」
「それがそなたの結婚条件だそうじゃな」
「・・・はあ、まあ。
確かにそう言いましたね。ですが貴女はその条件を満たさなくても問題ありません。
むしろ二十四時間いつでもOKですいつでも迎える準備は出来ていますよ」
「それは条件とは言わん。そして絶対にその味噌汁とやらは美味しくは無いじゃろ」
「やってみなくては分からないでしょう」
「否分かる、・・・待てその両手は何じゃ、こっちに来るな!」
「折角です貴女も是非飲んでみて下さいよ」
「たわけ止めろ、妾は菜食主義じゃ飲めるわけないだろエチケットタイム行きは確実な展開ではないか!!」
「何処の愛エプですか」

十秒後、彼女の宝貝が炸裂したのは言うまでもない。

恐らく炸裂したのは影を司る宝貝かと。名称決めてない。誰か決めて下さい←



!アニメ13話ネタ
!封印解除後

「・・・何じゃ鬼灯、この見るからに怪しい飲み物は」
「金魚草エキスですが」
「き・・・あああの動植物か。
それがこの飲み物に変わったのか」
「先程閻魔大王に飲んで頂きました」
「・・・そなたあれじゃな、金魚草を溺愛している割には平気で食用に変えるな。
其処の所どうなのか妾にはさっぱりわからんのじゃが」
「そうですか?」
「というよりそれを飲んでも身体に異常は無いのか?
明らかに何らかの異常があっても可笑しくない色なのだが」
「閻魔大王の顔が魚顔になりました」
「魚!?魚じゃと!?」
「はい」

平然と返した鬼灯に太上道君は戦慄する。
この鬼、本当に骨の髄まで鬼だ。分かっていたが上司にやる事ではない。
・・・本当に下克上する気か。

「だ、大丈夫なのか大王は」
「大丈夫ですよ、つい先程元に戻りましたから」
「・・・そなた本気で鬼畜じゃな」
「有難う御座います」
「褒めておらん!察せ!」
「というより何故貴女は閻魔大王の事ばかり気にかけるのです、貴女は私の嫁でしょう」
「誰が嫁じゃいい加減にせい鬼灯!
頭に年中花を咲かせておるのか常春頭と言われても言い返せんぞ!?」
「・・・まだ分かっておられないようですが、改めてもう一度言います。
貴女を含め、誰に言われようとも貴女は私の嫁です、逃がす気なんて毛頭ありませんよ」(くわっ)
(リアル鬼ごっこ!)

外堀を埋めていく鬼灯、抵抗を続ける主人公。
果たして軍配はいかに。


20140503(Diary再録/20140316~20140410)