!七星様BD記念小説
!『雪空』×『虹色』
!『雪空』主人公名:紺野昴
このページをご覧の皆様、初めまして。こんにちは。
僕の名前は安心院名前。
この帝光中学に通う善良な生徒もとい生徒会副会長だぜ。
親しみを込めて安心院さんと呼びなさい。
さて、僕には一人の幼馴染がいる。
人外で『
悪平等』の隣りに『
特別』がいるのも不自然かもしれないがまあ其処は置いておこう。
兎に角も、その特別で赤い彼が今気にかけている人物がいるらしい。
名前は紺野昴。
何でも征十郎君とバスケにおいて同等の才能を持つ『キセキの世代』を手懐けているという点で興味を持ったようだ。
桃井ちゃんだけでなく、生徒会室にいる僕にまで彼女の事を尋ねてくるんだからよっぽどの事なんだねえ。
まー僕にはあまり関係が無いかな。
さて、此処までで想像は付いたと思うけど、征十郎君も他のキセキも見目が良い。
だからミーハーな生徒が行き過ぎた行動をするのも時間の問題だった。
恋愛なんてくだらねーし、全くもって理解なんて出来ない。
永遠を生きている僕からしてみれば厄介事以外の何物でも無い。
そう思って僕は手出しせず、ただ傍観しようと決め込んでいた訳だが。
そんな僕が今回手出しをするきっかけになったのは"彼"が僕に依頼したという、至って簡単な事だった。
△▼△
ズタズタに引き裂かれたジャージとタオル。
沢山の落書きが書かれた机。
ビリビリに破られたノート。
上から降ってきた大量の水。etc、etc。
そして「放課後、屋上に来い」という要点だけ告げられたメモ。
犯人は察しがついている。
だから後は行くだけだ、と昴は思ったのと隣りにいた黒子がふと思い付いたように口を開いたのは同時だった。
「・・・昴さん、副会長に相談してみては如何ですか?」
「副会長?」
昴は聞き慣れない単語に眉間に皺を寄せる。
・・・もしかして副会長とは生徒会副会長の事だろうか?
だが自分と生徒会には何の繋がりも無い上に何故彼がそんな事を言うのか全く分からない。
だからこそ彼の考えが読めなかった。
「はい、その副会長です」
「・・・何で副会長の名前が出てくるの?」
「副会長・・・安心院さんはどんな相手にでも親身に接してくれますし、何より赤司君の幼馴染なので、」
「幼馴染!?」
黒子と自分の関係も幼馴染だが、赤司にも幼馴染がいたという事実はかなり衝撃を受けた。
自分の身を案じてくれる黒子の提案は正直言って嬉しい。
―――だけど。
「・・・でも流石に迷惑はかけられないよ。
いくら生徒会の人でも・・・」
「ですが、」
「私なら大丈夫、だから心配しないでテツヤ」
「・・・・・・」
大丈夫と微笑を浮かべる昴の姿に、黒子は内心である一つの行動を起こす事を決意する。
だが昴はその事にも、そして黒子がこの後にとる行動にも気付かなかった。
△▼△
がらり、
黒子は音を立てながら生徒会室の扉を開き、室内へと入る。
彼の空色の双眸には机に静かに座る、大和撫子という言葉を具現化させたような少女が映った。
「やあ君が此処に来るとは珍しいね黒子君。
また征十郎君絡みかい?」
「安心院さん・・・お願いがあります」
「わっはっはっは、冗談さ。
そう怖い顔をしなくても良いじゃないか、言わなくても分かっているよ。
君の"お願い"を叶えよう。その代わり、と言っては何だけど・・・」
「ボクに出来る事でしたら」
「必死だね。
なあに、そんな構える事はないさ。
そんな無理難題を言うつもりもないし」
「・・・」
「――― ―― ―――」
これが舞台裏での会話。
だから、今も表舞台にいる昴達がこの事を知る事は無く。
△▼△
そして彼女、安心院名前が屋上に『
腑罪証明』を使用し現れる。
視線を少しずらせば、俗に言うリンチと呼ぶべき光景を視認する。
(ふむ、あの紺色の髪の女の子が噂の紺野ちゃんかな。
成程、確かに征十郎君が気に入りそうな娘だな)
「君等がこんなことをするのはバスケ部を純粋に応援したいから。
バスケ部にとって邪魔になりそうな人を芽が出る前に刈り取りたいんでしょ?」
「いいから黙りなさいよ!!」
何処に持っていたのか、詰め寄る女子の手には一つのカッターナイフ。
傍観していた名前だったがこれ以上は流石に見過ごす訳にはいかなかった。
それが彼、黒子と交わした約束事だったから。
「っ、」
昴が防衛反応で目を閉じたのと、この場の雰囲気に似合わない軽やかな声が響いたのは殆ど同時だった。
『
獣軟な姿勢』怪獣になるスキル『
異爪棚』爪を伸ばすスキル『
猛獣我利』狩猟本能増大のスキル『
猫の耳も借りたい』猫耳を生やすスキル『
轆轤首』首を伸ばすスキル『
地獄の一兆目』目を増やすスキル『
舌根回し』舌を増やすスキル『
喉が殻々』殻を作るスキル『
無垢な牙』牙を伸ばすスキル『
多心房多心室』心臓を増やすスキル『
喰吐器官』なんでも食べるスキル『
男尊女敬』性別変化のスキル『
毒率骨格』猛毒を吐くスキル『
腕が鳴る』うでを増やすスキル『
歩く足には泥がつく』足を増やすスキル『
完眠』乾眠するスキル『
脳だらけ』脳を増やすスキル『
少年肉』筋肉増大のスキル『
翼を粉砕』翼を生やすスキル『
混虫頭観』翅を生やすスキル『
体中面相』顔を増やすスキル『
手枝による蟹鋏』両手をハサミにするスキル『
同異角』角を生やすスキル『
生えている』しっぽを生やすスキル『
目から鱗が出落ち』皮膚を鱗化するスキル『
血の色に染まれ』警戒色のスキル『
泡れな人生』泡を吐くスキル『
若手の甲』年齢変化のスキル『
発想の避役』保護色のスキル『
私の中では五分前』体内時計のスキル『
脳と言えない』洗脳のスキル『
記憶操失』記憶のスキル『
鋭嗅覚』嗅覚発達のスキル『
一心胴体』蛇になるスキル『
激野生』野生の勘のスキル『
文節動物』動物と会話するスキル『
不祥事に目あり』複眼のスキル『
蔦笑わない愛情』蔦を生やすスキル『
巻き困れやすい人』身体をドリルにするスキル『
群衆真理』群れを作るスキル『
粘膜粘糸』粘性の糸を出すスキル『
葬列が同化』同化するスキル『
人魚の肉球』下半身が魚状になるスキル『
肌飢餓餌』脱皮のスキル『
私達不在』ウイルスになるスキル『
分解脳』身体分解のスキル『
酸性の人は戦慄』胃酸で溶かすスキル『
天輪現掌』天使の輪を作るスキル『
無血清革命』血清を作るスキル『
臍は茶を沸かさない』臍を増やすスキル『
液体化した肉』液状化するスキル『
白黒眼』縞模様になるスキル『
後天的な双子』分裂するスキル『
粘らない液体』粘液を吐き出すスキル『
一将功成りて万骨萌える』骨を伸ばすスキル『
大吠え』威嚇のスキル『
窮血鬼』血を吸うスキル『
複利厚生』抗生物質を作るスキル『
石が流れてこの身が沈む』化石になるスキル『
発砲睨み』睨みつけるスキル『
自切の披露』自切のスキル『
頭弄の満点』手足を鎌状にするスキル『
脂肪算』脂肪増減のスキル『
鶏助の王座』鶏冠を生やすスキル『
皮一重』内蔵操作のスキル『
母なる海体』軟体のスキル『
土踏まず』地面に潜るスキル『
指針渦状』針を生やすスキル『
棘皮権』刺を生やすスキル『
蛸は身を食う』触手のスキル『
大きな口』全身が口になるスキル『
吻合砕身』吻を作るスキル『
手に取る領域』縄張りのスキル『
呼吸盤』吸盤を作るスキル『
小粋な死体息』九種の息を吐くスキル『
不動の大撲』肥大化のスキル『
腐らない性根』根を張るスキル『
吸呼伝』鰓呼吸のスキル『
毛皮なし』毛皮のスキル『
脊髄階段』二段変身のスキル『
朽ち橋を叩いて渡れ』嘴を生やすスキル『
腹幌鰭腫』鰭を生やすスキル『
絶飲絶食』栄養補給不要のスキル『
白髪燦燃状』髪質硬化のスキル『
自分の脳に効いてみろ』脳内麻薬のスキル『
剥蝶の端膿』鱗粉のスキル『
亀は甲羅に似せて落とし穴』甲羅のスキル『
水躓我』水かきを作るスキル『
肺胞戦肺』肺活量のスキル『
酔いどれ燕』丸呑みにするスキル『
噛み砕いて教える』咀嚼のスキル『
芋虫の道程』無限軌道のスキル『
骨肉標本』外骨格のスキル『
第四寄生』寄生のスキル『
指導共感』共感覚のスキル『
舌火になる』炎を吐くスキル『
繭唾の首肯』繭のスキル『
蠕動勧門』生物を侵食するスキル『
機械文命』肉体を機械化するスキル『
人間』人間になるスキル
・
・
・
「そして最後にスキルを数えるスキル、『
指折り確認』。
へー生物系スキル100個か、使ったもんだ。
全く僕みたいな人外ならともかく、武器を持たない女の子に手を出すなんてとても対等とは言えないぜ?
・・・つーか聞こえてないか。
ま、これで彼との約束は守ったって事で」
「・・・・・・え?」
昴の紺色の瞳が瞬かせる。
目の前にはいつ現れたのか分からないが、確かに身の丈と同じ位長い黒髪を黄色のヘッドバンドで結った少女がいた。
両手首には白いリストバンド、漆黒のニーソ。
そして右腕には副会長と書かれた腕章があった。
「・・・ふ、く会長・・・?」
昴の脳裏に過ぎったのは幼馴染の言葉。
「副会長・・・安心院さんはどんな相手にでも親身に接してくれますし、何より赤司君の幼馴染なので、」「やあ、その様子だと僕の事は知っているようだね。
君に怪我が無くて良かったよ、紺野昴ちゃん」
何処か達観したように笑う彼女に昴は瞠目する。
何故自分の名前を知っているのか。
何故自分が此処にいると知っていたのか。
そして、彼女は一体先程自分を取り囲んでいた女子生徒達に何をした―――?
「あな、たは、・・・」
昴がこみ上げてくる感情を抑え、かけなしの力を振り絞って尋ねようとした言葉は新たに屋上に響いた声により霧散する。
「昴ちん!・・・何これ安心院ちんがやったわけー?」
「流石安心院さん、満身創痍という言葉はこういう時に使うんですね。勉強になります」
「これこそ完全版名前、通称完全院さんだが・・・勝算があるなら名前に逆らっても良いぞ」
「えーそんなの絶対無理だし」
「何一つ悪い事していませんが土下座します」
こつ、と足音を立てながら颯爽と現れた赤司、紫原、黒子。
勿論昴は動揺したが名前は普段と変わらない口ぶりで幼馴染に話しかけた。
「おいおい君達今頃ご到着かよ。
ヒーローは遅れてくるものとはよく言うけど、僕からにしてみればただの怠慢だぜ?それかただの間抜けかな」
「手厳しいな」
「大丈夫昴ちん?」
「・・・状況説明をお願いします」
「赤司君が話している彼女がお話していた安心院さんです」
「・・・あんしんいんさん・・・?」
言葉が拙いのは許して欲しい。
先程確か紫原は「あじむ」とは呼んでいなかっただろうか、・・・もしかして愛称か何か?
昴の脳内は大混乱していた。
もう何が何だか、脳内処理が追いつかない。
とりあえず彼女は赤司の幼馴染で生徒会副会長でカッターナイフで刺される所を助けてくれたのは分かった。
・・・どうやって、とは聞かない方が良いかも知れない。
世の中知らない方が幸せな事もあるって聞いたし。
「・・・」
「頭の中がパニックになっているようだねまあ無理もないか」
「とりあえず保健室に行った方が良いですね」
「昴ちん歩ける?」
「あ、うん・・・えっと、」
「・・・?ああ、僕の事かい?
僕は見た通り生徒会副会長の安心院名前さ。
初めまして紺野昴ちゃん」
「えっと、助けて下さって有難う御座います、
安心院さん・・・?」
流石にいきなり愛称で呼ぶのは躊躇った。
なので本名の方で呼んだのだが、何故か名前の柳眉が僅かに顰めたのを昴は見逃さなかった。
「いやいや僕はただ生徒会を執行しただけさ。
お礼を言われる程の事じゃない・・・ああでも一つだけ言わせて貰おうかな」
「・・・?」
「そんなに構える程の事じゃないさ。
ただ僕のことは親しみを込めて
安心院さんと呼びなさい」
「・・・・・・あんしんいんさん・・・・・・?」
もしかしてテツヤもこの台詞を言われたからそう呼んでいるのだろうか。
昴は何となく真実を悟ると同時に、安心院名前が只者ではないと頭の何処かでそう判断したのだった。
生徒会副会長とキセキキラー
七星様、お誕生日おめでとうございます!(*^^*)
依頼された日の内に完成させた一品です、勿論返品可ですが・・・どうでしょうか・・・?
一応『音楽少女』本編を元にして書かせて頂きました!
これからも当サイトを宜しくお願いします!
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