花片ファンタジア | ナノ

皆さんこんにちは、またはこんばんは。
私の名前は平和島栞。

突然ですが此処で私の家族――主に兄達について説明したいと思います。
まず家族構成。
両親と兄が二人、そして私の五人家族だ。

長兄の名前は静雄。
異常な位短気なことと怪力であることを除けば普通の兄である。

次に次兄の名前は幽。
兄は兄でも、私と同い年だ。所謂双子というヤツ。
男女の双子なので二卵性なのだが限りなく一卵性に近い容姿でよく間違われる。
まぁ成長すれば身長やら男女の差で見分けもつくと思うので今だけ我慢すれば良い話だ。
そんな双子の私達は感情が豊か過ぎる兄さんとは真逆で無口無表情とよく言われる。



何処にでもいる、とは言い切れない兄妹だけど。
私には兄達や両親、他の誰にも言えない秘密があった。
ある漫画風に言えばシズ兄さんは身体的に、幽君は精神的に異常(アブノーマル)を発現させたけど私はどちらかと言えば幽君よりかもしれない。

私の秘密。
それは、所謂前世の記憶を持って生まれたこと。
だから、私は知ってしまった。気付いてしまった。

この世界はデュラララ!!であると。



  ♂♀



転生して五年。
私と幽君は仲良くプリンを食べている。
双子である為か、私は幽君の僅かな変化を見分けられた。
なので他の人が無表情と思っていても、私は笑っているように見える。

「・・・幽君、今笑った。本当にプリンが好きなんだね」
「うん。栞とおそろい」
「・・・?」
「栞もプリン好きでしょ?」
「・・・知ってたの?」
「うん。・・・栞だけだよね、ぼくがなにをかんがえているのかいつもあてるのは」
「・・・幽君?」
「みんな、ぼくたちがなにをかんがえているのかわからないっていうのに」

そう。
私も幽君もよく分からないと言われる。
私は気にしていないけど、幽君は他の人には分からない位、少しだけ表情が歪んだのが私には分かる。

「・・・分かるよ。幽君が何が好きで、苦手なのか。
今楽しいのか、嫌なのか。
私は幽君の妹だもの」

精神年齢は上だけどね!シズ兄さんより上だからね!
此処重要!って叫びたいけど言えないこの葛藤。

・・・あれ、何で幽君考え込んだの?
私、何か変な事言った?

「・・・・・・きめた」
「・・・・・・・・・?」
「栞、ぼくのおよめさんになって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


五歳児の双子が無表情でお互いを見つめ合うという、異様な光景を家族が発見するまで後三分。

  平和島ツインズの恋愛関係


if話第1弾。
静雄は多分小学校かと。
幽君の年齢が定まっていないから主人公の年齢も定まらない・・・。
恐らく2〜3歳違い。
そしてこの頃の静雄は双子の表情を読み取れるスキルをまだ身に付けていない設定。

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