花片ファンタジア | ナノ

目を開けたら其処は見知らぬ部屋でした。


・・・・・・なんて何処の三文小説だ。
しかし私の現在の状況は、この表現が一番適切である。・・・悲しいくらいに。


とりあえず此処、何処?
生活感があるし、ベッドが二つあるということは二人部屋だろうか。

よっ、と起き上がろうとした瞬間、其処で漸く私は自分の身体の違和感に気付いた。



・・・・・・・・・あれ、私の身体ってこんなに小っちゃかったっけ・・・?
ていうか、床と目の距離が近くないか!?
どうい・・・うこ・・・と・・・!?


その瞬間、衝撃した。


「ピ・・・!?」(なっ・・・!?)

・・・・・・え、何今の鳴き声。
しかも、やたら近かった気がする。
でも私の周りには誰もいない。

否、それよりも私の身体!手というか腕!
何で!!黄色!?


「ピカァァ!?」(えぇぇ!?)

私の心からの絶叫に合わせて部屋に響く声。
・・・というより先程と同じ鳴き声。
・・・・・・この独特の鳴き声というか鳴き方を私は知っている。聞いたことがある。

しかし、いやいや、まさか、ね?


耳確認。
・・・二本の長い物体を頭の上部に確認。

お尻確認。
・・・黄色のギザギザというか、稲妻みたいな尾(但し根元は茶色)を確認。
(あれ先端がハート型だ)


・・・・・・結論。
どうやら私は国民的に愛されるキャラクター・ピカチュウ(♀)になってしまったようだ。


・・・・・・・・・ふざけんなーっ!!


「ピ、ピカ?」(え、マジで?)

認めたら私の何かが失う感じがするから絶対に認めたくない。
夢なら覚めてー!

そう思っているとドアの向こう側から足音と話し声が聞こえてきた。
耳が長いからその分聴覚が発達したとかそういうオプション要らないよ!望んでないし!

否、そうじゃなくてもしこの部屋の住人だったらどうするのさ!?
私人体実験にされるとか絶対にイヤだよ!
寧ろもうされた後とかそういうオチなの!?

そうこうしている間にガチャリ、と鍵が開く音が聞こえた。

「ピッ・・・!」

ヤバイ。
此処の部屋の住人が帰って来た。

ちょ、マジで助けてー!!

  Prologue


恐らく誰もやったことがないであろう混合ネタ第2弾!
二番煎じだったらスミマセヌorz
さぁ一体主人公は誰の部屋にいるのでしょうか。

20120328