虹色理想郷 | ナノ

「つゆり、一体何をしている?」
「・・・何だ半纏か。
否別に?京が一の事を考えてちょっとしたビデオレターみたいなのを残しておこうかと思ってね」
「・・・ビデオレターだと?」
「そう。まーつまり有り得ない事だけど僕が死んでしまったら発動すると思ってくれたら良い。
"安心院さん"ならぬ"残像院さん"になって彼等に『生きた証』を残しておくよ。
だから半纏、京が一の事があったら宜しく」
「・・・俺はお前の影だ。
反転院さんになった時はそうするが・・・改めて言っておく。
俺はつゆりが死ぬなんて事許してないからな。
絶対に俺の元に帰ってこい。何があってもだ」
「―――わっはっは、肝に銘じておくよ半纏」

そして二周年企画の600,000hit企画リクエスト、リン様のお話に繋がるというオチ。



!反転院さん異世界旅行編未来ネタ


天から落ちてくる大岩、もとい隕石に最早成す術が無いと思った。
岩隠れの土影も文字通り死力を尽くしたが、それも一時的の事。
すぐに第二撃が繰り出され、今度こそ絶体絶命だと思った、その瞬間。


ふとナルトの脳に、心に、聞いた事がない筈の少女の声が響いた。
その時脳裏に"彼"が思い浮かんだのは何故だろう。


『―――ああ、やっとか。これで、僕も自由に動ける』


ナルトが瞬きしたのはほんの一瞬。
だけどその刹那の間にその時までには無かった筈の赤銅色が映る。
そして鈴を転がしたような、いっそ戦闘に場違いな程軽やかな声がナルトの両耳を支配する。


「星破壊ビームのスキル、『ばきゅん。』
―――やれやれ復活して早々何でこんな場面に出くわすのかなあ。
僕は決してトラブルメーカーとかそんな主人公体質じゃなかった筈だけど」

いとも容易く隕石を二つ破壊した少女を信じられない目で見る。
余裕の笑みをわずかに浮かべつつ、何処からでも攻撃が出来る位隙だらけの出で立ち。
だが何故か圧倒させられる、そんな不思議な少女にあの空色の人外が重なったのは、果たして偶然か必然か。


というわけで原作第二部終盤。マダラvs『虹色』主人公。隕石ときたら絶対にこのスキルでしょう!と思って書いてみた。



!黄色との邂逅編おまけ

「青峰っち・・・黒子っち・・・!!オレ・・・オレ・・・!!」(ぐすぐす)
「あ、あー・・・そっかお前安心院の事知らなかったのかよ・・・」
「何というか・・・黄瀬君は安心院さんの機嫌が悪い時に出くわしてしまったんですね。
ご愁傷様です」

ぽん、と軽い音を出しつつ撫でられる感触に黄瀬は更に涙腺が緩む。
突然窓から命綱無しで飛び降りられたら人間誰しも死を覚悟をするものだろう。

「あの人一体何なんスか!?言ってる事もやる事も滅茶苦茶っスよ!!」
「何だ黄瀬、知らねえのかよ?」
「彼女は安心院つゆりさんで、・・・彼処で倒れてる赤司君の幼馴染さんです」
「倒れてる!?」
「慣れろよ黄瀬、安心院が来たら赤司は毎回ああなる」

「毎回!?ってああああ赤司っちぃいいいいい!!」


絶叫する黄瀬と冷めた表情で見る黒子と青峰の視線の先には体育館の床で力なく突っ伏している赤司の姿があったが、"彼女"の貼り付けたような笑顔が怖くて誰も助ける事は出来なかった。


20150507(雑記再録/20140318~20141104)