!元ネタ:妖狐×僕SS
「ジャジャン!シャイニング早乙女のぉチキチキ☆箱の中身は何だろなクイズぅ!!」
『・・・・・・・・・・・・』
いつものAクラスメンバー+灰音、春歌がシャイニング早乙女に呼び出されて部屋に集まったまでは良い。
因みに灰音は呼び出された瞬間、回れ右をしたが流石幼馴染、真斗が其れを見事に阻止したのは余談である。
「では最初にするのは」
「帰る」(灰音)
「不参加は受付マシェーン!」
「ふざけんな」
バットで打ち返す灰音に対し早乙女も負けずバットで打ち返す。
心なしか灰音の目が据わっているような気がするのは気の所為だろうか。
後、口調も。
・・・気の所為だと思いたい。
どちらにしてもあの早乙女に此処まで言えるのは灰音位なものだろう。
他は全員、早乙女の気迫やら権力やらに屈してしまうのだから。
「ではMiss草薙、やってクダサーイ!」
「聞きなさいよ人の話。・・・一度地獄を見せてやろうか」
「待て灰音早まるな!」
理性の糸が切れる寸前の灰音を食い止めるのはやはり真斗。
自身が愛用する獲物(勿論日本刀)があれば文字通り瞬殺したのに、とチッと内心で灰音は舌打ちした。
そんな灰音と真斗を一歩どころか数十歩離れたところで見ていた音也達はというと。
「・・・怖い・・・」
「わぁ、灰音ちゃん勇ましいですねぇ」
「し、四ノ宮さん・・・」
さっさと帰るためには早乙女に従った方が良いと判断し、灰音は謎の箱を一瞥する。
あの早乙女が用意した、という時点で普通の物は入っていないのは明白。
灰音は心底面倒臭そうに溜息を吐いた後、箱にある穴の中へズボッと迷い無く手を突っ込んだ。
「OH!迷いがありませんね、Miss草薙!」
「・・・・・・」
「・・・灰音?」
ノーリアクションだった灰音が勢いよく箱から何かを掴んだまま手を引っこ抜いた。
・・・もう一度言う。
何かを掴んだまま、である。
『☆♪#%ωДσrQξ!!!』
「うわぁ蛇さんですね!」
「NOーー!!言い当てる前に箱から出すなんて反則デース!!」
「そういう問題っ!?」
上から順に音也・春歌・真斗、那月、早乙女、音也である。
無論、昆虫類、爬虫類の類に弱い真斗は青褪めた。
しかしそんな真斗を尻目にいきなり自分の胴体を掴んだ灰音の腕に攻撃をしようと蛇が牙を見せた瞬間、灰音は無表情、ノーコメントで素早く蛇の頭をもう片方の腕で掴み、片結びにする。
そしてペイッと床に叩きつけるように放り投げた。
時間にしておよそ三秒。
『・・・・・・・・・・・・』
灰音の早業に全員沈黙した。
早乙女でさえも。
「・・・じゃあ帰るわ」
顔色一つ変えない彼女は間違いなく色んな意味で強い、と思った瞬間であった。
昆虫・爬虫類では彼女の敵ではないよ!というお話。
でも弱点はちゃんとあるから無敵じゃない。
その事を知っているのは今の所、養父と真斗位かな。
!セシルルート真斗編(七月イベント)
春歌とセシルは現在鎖で身動きが取れない状態にいた。
しかも春歌は鎖で縛られている上に服の裾を引きちぎられ、ボタンを外されるという目のやり場に困る状態だった。
「ハルカ・・・!」
「だ、大丈夫ですから・・・」
セシルを安心させようと無理矢理笑顔を作るが其れは逆効果だった。
春歌をそんな状態にさせた真斗は冷酷な笑いを浮かべている。
「ふっ、大丈夫だと?
ならば今度はあの禁断の秘技『スカートめくーり』をお前に喰らわせてやろう」
通常の真斗なら考えられない台詞だが、今の真斗はサタンが乗り移った状態である。
そんな真斗に春歌たちの言葉が届くという可能性は低い。
「なっ・・・!」
絶句する二人に、真斗は薄ら笑いを浮かべて春歌に近付く。
しかし。
「―――へぇ、あの馬鹿が付く程真面目な貴方からそんな言葉を聞くとは思わなかったわね」
がらり、と結界も難無く開けた本人、灰音は血も凍る程の微笑を浮かべて真っ直ぐに真斗をその青灰色の双眸に映した。
・・・みたいな!
きっと日本刀を持っていると良いよ。
続きを書くかどうかはゲスト様次第。反響が有ったら書こうかな。
「レディは最初に聖川と出会った時、どう感じた?」
「次にその単語で呼んだら、貴方の舌を斬る」
「・・・・・・」
凍てついた青灰色の双眸にレンは思わず震え上がった。
次いでレンは真斗に(認めたくないが)僅かに尊敬の念を覚えた。
自分なら彼女とお近付きになりたくない――というより近付かせてもくれないだろう――タイプである。
しかし、彼女に固執する理由も分かる気がした。
彼女は、個人の本質を真っ直ぐに見てくれるから。
「・・・で?」
「・・・・・・」
胡乱気な目で此方を見る灰音にレンは内心で苦笑いをする。
「聖川が君にあそこまで執着するんだ、君の感想を聞かせてくれないかい?」
「・・・・・・・・・マゾかと思った」
「・・・・・・・・・・・・は?」
数秒の沈黙の後、紡がれた言葉は軽くレンの予想を斜め上に超えていた。
思わずレンも素っ頓狂な声を出す位に。
それ位ぶっとんでいた。
「ぶっちゃけた話、何で今も関わり合いになっているのか私も聞きたいわね。
散々『帰れ』『去ね』とか酷い言葉しか言ってないし、無視した事なんて何十回何百回あったのに」
「・・・・・・・・・」
それは本当に酷い。
しかも詳しく聞けば、それは六歳位から続いていたという。
恐ろしい六歳児である。
普通の子供であればトラウマものである。
「それでも話しかけてくる姿を見てたら本当にコイツ、実はマゾなのかと思ったわ」
無表情でそんな事を語る灰音にレンは内心で戦慄した。
ライバルだと思っていた男が実は本当にそうだったなんて事実は流石に嫌すぎる。
それと同時に灰音と真斗の関係に甘酸っぱさを求めるものではないと痛感した瞬間でもあった。
レンと主人公と!
レディ呼びを止めた場合何て呼ばせようか検討中。
因みに主人公の台詞で『去(い)ね』とありますが意味は文字通り『去れ』という意の方で。