企画 | ナノ

!黛BDネタ
!ヒバタカ要素有



「やっほー黛君」
「・・・安心院」
「わはは、何度も言ってるけど僕のことは親しみを込めて安心院さんと呼びなさい」
(・・・何というか前から思っていたが安心院って二次元っぽいな)
「・・・今何か失礼な事を考えなかったかい?」
「否別に(ああこれはホンモノだ)」

黛千尋と安心院名前。
二人の接点といえば同じ洛山高校の生徒でバスケ部所属という点である。
何故この二人が一緒に居るのかと言えば答えは簡単だ。

「いやはや本当に驚いたぜ。
まさかバースデープレゼントに何が欲しいと聞いただけなのに僕と出かけたいなんて言うとは思わなかったからさ」
「オレの心はそれ位荒んでいるという事だ」
「わっはっは、でもその代償は大きかったけどね」
「・・・・・・」


名前の言葉にオレは遠い目をする。
理由は一つ、彼女の幼馴染である赤司征十郎の暴走が半端なかったからだ。
・・・あの男はバスケ部の中では小柄な部類ではあるが如何せん一筋縄ではいかない。
現に彼女と約束をこぎつけるのに洛山バスケ部に死傷者が出るのではないかと思う位の惨事を残してオレは出てきたのだ。
赤司を元無冠の奴等が上手く抑えていたら文句は無いのだがその可能性は限りなく低い。
ならば残された時間を如何に二次元の塊とも言っても良い位の安心院名前と出掛ける事にしようと黛は思考を切り替えた。

・・・ああ肩出しニットにミニスカという安心院の私服は文句無しで可愛い。

二人並んで繁華街を歩くオレ達だったが此処で徐に安心院がある話題を口にした。

「そういえばそろそろホワイトデーだね、チョコレート獲得数を聞いても?」
「喧嘩を売っているのか」

繁華街をうろつく二人は何処からどう見ても立派なデートなのだが、会話の内容を考えると恋人のそれとは程遠い。

「いや?征十郎君の幼馴染をしていると学年を重ねる毎に数が増えていくのが分かるんだ、全く面白いったらありゃしないぜ」
「何がどう面白いんだ」
「あの光景を見ているとチョコレートを貰わない方が勝ち組だという事を痛感すると帝光中生徒は言ってたからね」
「・・・」

何となく悟った。
オレが見たのは今年だけだが、それでも赤司を筆頭としたバスケ部レギュラーのバレンタインの凄まじさは知っている。
・・・そういえば帝光キセキは全員腹が立つ位容姿が整っていたな・・・・・・うわ想像しただけだけなのにこの精神的ダメージって。

キセキだけにマジキセキ。


「そう言う安心院はどうなんだ」
「うん?」
「安心院はバレンタインに参加していたのか」
「僕はこういう行事には参加しない方でね。
・・・つーか主に桃井ちゃんを抑えるのに大変だったかな」
「は?桃井?」
「否何でも無い」
「?・・・あ、バレンタインと言えば安心院に聞きたい事がある」
「おや珍しいね」
「実渕がいやにテンションを高くして東京にチョコレートを贈っていたんだが相手知らないか?」
「・・・・・・僕に聞くより本人に聞いた方が良いんじゃないかい?」
「アイツ等とあまり会話をしたくない」(キッパリ)
「筋金入りだな」



  △▼△



その頃。
東京、秀徳高体育館にて。


「・・・・・・」
「なあ高尾の奴どうした?」
「京都の洛山からチョコレートが届いたようです・・・妙に凝ったラッピングで」
「わざわざ京都から?つかアイツ彼女持ちだろ?もしかして浮気か?」
「それなら高尾もあれ程まで悩まなかったでしょう。
・・・贈ってきた人間は男です」
『・・・・・・・・・』←誰なのか察した

「何つーかそれは・・・」
「木村ァ明日のオフ、何処か連れてってやろうぜ・・・」
「否此処は彼女の出番じゃないのか」
「あの女を表舞台に出した暁にはもれなく怪我人が続出するので止めた方が賢明です」
「なあ緑間、高尾の彼女って何?熊か何かなわけ?」
「いくら何でも誇張し過ぎだろ」
(それよりもっと性質が悪いのだよ・・・!)


そんな会話で体育館が盛り上がっていた事を黛は知る筈も無い。



  △▼△



「さてと黛君」
「?」
「7932兆1354億4152万3222個の異常アブノーマルと4925兆9165億2611万0643個の過負荷マイナス、合わせて1京2858兆0519億6763万3865個のスキルを持つ僕をもってしても精々君のお願いを叶えてあげる位の事しか出来ねーけど、君にお望みのモノをあげよう」
「・・・・・・」
「おや?」
「二次元極まりなくて逆にいっそ清々しいな」
「よし、黛君歯を食いしばれ」
「オレが悪かった」

まだ死にたくない。
安心院の顔に不穏な影がかかった瞬間、オレは即座に謝罪する。
自己保身?何とでも。オレは自分が一番可愛いんだ。
生贄はあの赤い奴にでも押し付けよう。

「・・・ふむ。では黛君少し屈みたまえ」
「何処の女王様だ」
「女王なんて大層なものじゃない、僕は一介の人外だぜ?」
「そうじゃなくて・・・ああ分かった。
・・・・・・これで満足か?」

す、と僅かに屈むオレに安心院は不敵な笑みを浮かべた。
・・・・・・あ、嫌な予感。

そう感じ取ったオレを他所に安心院名前は軽いリップ音と同時にオレのそれと重ね合わせて―――・・・は?


「奪っちゃったー」
「・・・・・・・・・」
「あれ無視かよ?
僕からのプレゼント気に食わなかったかい?」
「・・・・・・・・・プレゼント?」
「ホントはスキルでもプレゼントしようと思ったけど時間切れだ。
だからこっちで勝手に決めさせて貰ったぜ」
「・・・・・・・・・」

わっはっはと何て事無さ気に笑う安心院名前が恨めしい。
オレはとりあえず赤くなった顔を隠そう。





・・・後赤司お前この幼馴染とどんな日常を送ってたのかオレに教えろ。

  人外と影が薄い青年

梓様お待たせしましたああ!
黛さん今思えば偽物になってないか!?とビクビクしながら書かせて頂きましたが、だ、大丈夫だろうか・・・?
そしてちょこっとだけヒバタカ要素有です。お許し下さい・・・時期的に、時期的に丁度合ってたから混ぜたんですよぉおっ・・・!
こんなんで良かったら貰ってやって下さい。

20140329