"彼"は異質な人間だと思う。
更に言うなら異端で、異常で、奇異な人間。
それが"彼"―――折原臨也だと、私はそう評価する。認識している。
折原臨也と私、平和島栞との接点は殆ど無い。皆無。絶無に等しい。
私ではなく、私の兄となら接点どころか因縁があるのだが。
単刀直入に言おう。
何故私の前に折原臨也が居るのだろうか。
誰か、私の質問に答えてくれ!
「初めまして、じゃないけど一応挨拶はしておこうか。俺の名前は折原臨也。
シズちゃんの妹とあまり宜しくしたくないけど、嫌がらせに仲良くしてシズちゃんを怒らせるっていうのもアリかな。どう思う平和島栞ちゃん」
「止めて下さい」
思わず即答したけど私は悪くない!
というより、ぶっちゃけすぎだろ!
何言ってんのコイツ、っていう目で私は目の前の男を見るが、気付いているのだろうか。
人間観察が趣味だった筈なのできっと察してくれるだろうと思っていたのだがスルーされた。・・・虚しい。
そもそも何で私、この人と話しているんだろ。
私は帰宅途中だったんだけどな。
此処で誰かと待ち合わせしているのだろうか。
でも中々その子が来ないから暇潰しの材料で私を見付けたとか、そんなオチなのだろうか。
・・・うわ、それ嫌だな。只管迷惑だ。私はとっとと家に帰りたいんだよ。
撮りだめしている番組があるのだから!
デッキがパンクする前に整理しないと・・・!!
「・・・何か用ですか」
早く帰りたいので折原臨也に会話を試みる。
・・・が私の言葉をスルーし、自分の話をサクサクと進めるこの男に思わず殺意を覚えた私は悪くない。
いい加減にしろよ、この黒幕志向!
「俺は人間が好きだ!愛してる!
そんな俺を人間も同じように愛すべきだ。
・・・だけど君は一体何なんだろうね。平和島栞ちゃん。
俺は色んな人間を見てきたけど、君はよく分からない。
というより、何を考えているのかよく分からないんだよね。
何で君はシズちゃんの化け物染みた怪力を見ても動じずにいられるの?
受けいれられるの?認められるの?」
「貴方に教える義理はありません」
ノンブレスで話す男に私は思わず話を遮った。
その事だけでも私は結構な勇気がいたのだが、折原臨也のペースにこのまま持ち込めば話がややこしくなるのは目に見えていたので、容赦なくぶった切らせてもらった。
良いよねこれ位!望むのは私の心身の平穏です!
だから早く切り上げて帰らせてもらおう。
「・・・私の兄はシズ兄さんただ一人です。
だから人よりも怪力だろうと短気だろうと私の兄に変わりありません。
貴方には何の関係も無いと思いますが」
原作を曖昧ながらも知る私にとって折原臨也とはあまり進んで関わりたくない。
これ以上話すとボロが出しかねなかったので退散させてもらうとしよう。
「話がそれだけなら、失礼します」
出来るなら二度と会いたくないけど多分無理だろうなぁ・・・。
黒幕志向と傍観志願(折原臨也と平和島栞)
二話は黒幕志向=折原臨也との対面でした。
第1章はDRRRキャラで攻めていく予定なのでutprキャラは出ないかと。
タイトルはある小説を意識しています。分かる人には分かる、筈。
20120307