七海さんとの出会いを果たしてから約半年が経った。
彼女や彼、一ノ瀬君(仮)が無事、早乙女学園に入学出来たかどうかは分からないけど多分大丈夫だろう。
多忙なスケジュールの事もあり、栞は彼等の出会いを忘れるとまではいかないが思い出す頻度は少なかった。
何しろ彼女の仕事量は並大抵なモノでは無い為、全ての仕事をこなす頃にはとっくに一日が終わっていた、なんて事は少なくないのだ。
―――そんな矢先。
栞の元に、モデルとして一つの仕事が舞い込んできた。
内容は今人気が急上昇しているモデルと組んで撮影を行うというものらしい。
「・・・」
人気急上昇の、モデル・・・?
はて、一体誰なのだろうか。
此処の所多忙すぎて自分のライバルとなりうる存在、又はもう既にライバルとなっている存在を把握出来ていない為全く想像がつかない。
(えーと名前は・・・・・・・・・、・・・・・・)
栞は沈黙した。
彼女の沈黙などいつもの事なのだが今回は少し種類が違った。
今回の彼女の沈黙の意味。
それは。
「・・・・・・・・・洒落?」
モデル:羽島幽
これは自分の芸名だ。誤字脱字の問題は無い。
問題があるのは次だ。
モデル:小傍唯
・・・・・・どう読むんだろう。
普通に読むと『こそばゆい』になるんだけどこれは狙ってつけたのか。
それとも他に読み方があるの?
否、それよりこれ芸名だよね?合ってるよね?
もしかしてこれはネタの一つなの?
否、モデルにネタは必要は無い筈だ。
それとも私が知らないだけで、今はそれが普通と化しているの?
栞が微妙にズレた思考で書類を睨みつけるように見ていたのだが、それは彼女のマネージャーが来るまで続いたのだった。
似たものモデル
お待たせしました第6章開幕です!
第6幕はrepeat翔ルートをプレイしていた時から考えていました。
どうなるかまだ未定ですがとりあえず頑張ります。
20121107