キッチンの隅で
もう死んでしまったあなたを纏う

一ヶ月前あなたは
会社近くのマックの裏で
くしゃくしゃになって倒れていた
くしゃくしゃになって
まるで 動物の皮みたいに
わたしは一晩中探し回って
朱鷺色の朝 やっと
原型をとどめていないあなたを見つけた
あなたは悲しそうな微笑みで
高級なストールのように従順だった
わたしはそれを肩に巻いて家へ帰った
あなたの体から、疲れたにおいがした

キッチンの隅で
青い闇に隠れながら
死んでしまったあなたを纏う
あなたは死んでいるのに
どうしようもなくあたたかく 柔らかい
わたしはそれで
一生分の眠りを約束される





[*prev] [next#]



back



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -