瞼の裏に見た夢。誰もいない青いプールの底を、鮫のように滑る君。美しさに呼吸を忘れる。
魚になった君が、夢の底を泳ぐ。水が境界を溶かす。私はそれを見ているだけで良かった。
でも出来るなら触れたい。滑らかな肌を舐めたい。丸い頭を包み込んで撫でたい。
羞恥より渇望が勝った、私の言葉はみんな告白だ、汚い愛を見せかけの装飾でかろうじて体裁を整えた。


私は境界を溶かす人、あなたは境界を超える人。似ているようで全然違う。


海の底をゆらり泳ぐ君の影が見える。身をくねらせるその肢体は巨きな魚の神さまみたいだ。私も小さな舟を漕ぎ出し沖へ行こう。


あなたの夢を食べて生きたい。あなたの髪で編んだ縄で死にたい。



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