叫ぶように降る雨と、押し殺した雷鳴。これを嵐と呼ぶのか。けれどもここは決して沈まない。どれだけ降ろうとも千年間沈んだことはない。私はそのことに安心もするし、不安にもなる。とりあえず今夜も眠れそうだし、眠らなくてはならない。


ぼさぼさ毛の飼い犬の澄んだ目に映る世界。ソフトクリーム色の石膏みたいな煙のかたまり。曇ってるのに夕暮れの橙が見える日は、切り株みたいな甘いパンが食べたくなる。雨の気配。





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