「あまり水に浸かりすぎると、背骨がぐにゃぐにゃになる」
彼女はそう言うけれど、僕はプールに浮かぶのをやめない。プールは好きだ。海と違って底が見えるから。
「くらげになってもかまわない」と返答すると、彼女は呆れたようにプールサイドから僕を見下す。下から見る彼女も素敵だ。
彼女のワンピースに描かれた無数の花が、水に映って、水に溶け出す。身も心も軽くなって、僕は重力の存在を疑う。ここはプールじゃなくて彼女の髄液の中なんだ。



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