「アーーーーウッッッ」
「.....」
「アウッ!!!!!」
尋ね人7/フランキー(海賊・船大工)
「いい加減起きたか小娘!?オレはフランキー。嬢ちゃんのことは仲間達から聞いてるぜ」
「フランキー。フランキーはどうしてそんなに声が大きいの」
「アーウッ!!いーィ質問だ!そいつはオレがスーパー!!!だからに決まってんじゃねェか!」
「スーパーうるさいってこと.....?」
昨日の夜ちょっと一人で一杯引っ掛けてしまった私は、そりゃあもう二日酔いだった。頭がグワングワンしているところへこのテンションは正直拷問だ。
「何だおめェ二日酔いか?小娘が酒なんて飲むからだ」
「小娘って、私もう成人してるし」
布団に頭まで潜りながら訴える。
それにしてもルフィの仲間は総じて賑やかだな。船長がルフィだからかな?
「フランキー。私と何か約束したら、元の世界へ帰れるよ」
「らしいなァ、聞いたぜ!」
フランキーも向こうでその仮説を聞いたらしい。たぶんナミちゃんだ。頭が切れるから。
「内容はなんでもいいんだと思う」
「もちろん既に考えてる」
「すごい...なぁに?」
「言わねェ」
えー、とズキズキ痛む頭を抑えながら外に顔を出した。「男の約束ってのは目と目を見て交わすもんだからな」サングラスを外したフランキーの目がじっとこちらを見ていた。
「.....ごめんなさい」
「フッ、良いってことよ。まァこいつでも飲みな」
「わああああお腹開いたやだ何で、ぐゥ、頭いたい」
「俺は変態だからな」
「ヘンタイ家に入れちゃった.....」
フランキーはお腹から出したコーラを私に授けて、家中の家電を触り漁って、何やら色々な発見をしたらしい。ホクホクした顔で私の前に立った。
「俺ァ約束するぜ、なまえ」
「あ、まってまって」
何かいいことを言おうとしていたらしいフランキーをちょっと待たせて、カーテンの隅に立てかけていたゾロの刀を慌てて渡す。そろそろ持っていってもらわなければ。ゾロも困っているはずだ。
「そういやゾロの奴が、何で誰も持って帰ってこねェんだ!ってごねてたな。毎日」
「やっぱり」
「まァこいつは俺がしっかり届ける!」
「宜しくお願いします」
頭を下げて、もう一度上げた時にはフランキーの姿はもうなかった。
「.......あ!やば」
おそらく今のが約束≠ノカウントされてしまったのだろう。来る前から内容を考えてきてくれていたフランキーには悪いことをした.....。
「.....まあいいか」
二日酔いは直らなかったが、コーラのおかげで少し頭がスッキリした。
麦わらの一味はあと何人いるのかな?
ウソップの話では、可愛いたぬきのペットがいるとか。楽しみだな。