「そういうわけで俺はお前を突き放した。」
「ローさん…」
「なまえ。…約束を破ったのは悪かった」
私は思わず息を飲んだ。ーー忘れてしまったのではなかったのだ。
嫌われてしまったのでは、なかったのだ…。
「ローさん…」
「…お前には恩がある。だから、心配すんな。俺はお前を殺したりなんか」
「ローさん!」
「…」
ぴたりと押し黙ったローさんの傍に、俯きながら近付く。一歩か、ニ歩か、離れたところから、もう一度彼の名前を呼んだ。
「ローさん、わたし……死にたくない。」
「……ああ」
「…ごめんなさい、ローさん」
でも、
「でも……、この世界にローさんがいるのに、
もう二度と会えない方が、ず、っといやなんです……!!」
ごめんなさい、
ローさん。
こんなことを言ってしまってごめんなさい。
「わたし、ローさんになら、殺されてもいいです…!」