「……あ、あのう」
『………』
状況を理解できないであろう皆さんに、初めから説明したいと思う。
高校生にもなって朝っぱらから泣いちゃった私の手をひっぱって、慎太郎君は親切に教室に連れてきてくれた。以下、その時の会話。
(えぐ、う、ひっ、あ、あいごー)
(ちょ!何でこの子泣いてんの!?あんた誰?あんた泣かしたの?オイこら坊主コラ)
(ち、ちげーよ!勝手に泣き出したんだよ!)
(なまえさんどうしたの?ちょ、飯島、ティッシュない?)
(トイレットペーパーなら)
(じゃあそれでいいや)
(よくないよもううう…!)
(泣きながらツッコんでる。えらいわねアンタ)
(…じゃ、俺はこれで)
こんな感じで大変恥ずかしい思いをした私である。
愛子は事情を尋ねてきたが、私が言えずにいると深く追求するのを止めて「あんたが言いたくなったら話しなさい」ととても優しいことを言ってくれた。感動した。
そして2時間目。昨日一睡もしてない私は眠気に耐えられず、保健室に向かった。
――出張なうww
保健室のドアに貼られた紙。保健の先生が出張ってどういうこと。しかもノリどうしたの。言いたい事は色々あった。しかし眠気が眠気だったために、私はとにかく休める場所を求めてふらふらふらり。辿り着いたのは屋上だ。
この季節日向で寝ると蒸発する為、私はタンクの影に腰を下ろした。そしてふと思い立つ。
(ローさんに電話してみようかな。)
そう。この前買った携帯のことを思い出したのだ。
使い方は何となく教えたから出れるだろうけど。…………まあ、でてくれないだろうなぁ。
そう思いつつも私は電話帳から彼の番号を探しだし、発信ボタンを押した。出てくれる期待はこれっぽっちもなかった。のに、コール音は、数回鳴って途切れたのだ。
目が覚めた。
「………ロー、さん?」
胸が
『……ああ』
ぎゅっと痛んだ。